この記事では「競艇に八百長はあるの?」と疑問を持っている方に向けて、競艇の八百長(やおちょう)についてまとめた。
結論から言えば、競艇に八百長はある。
例えば、今年(2020年)の1月上旬に「西川昌希」元選手が八百長をして捕まった事件は話題になったな。
しかし、実際にはこのような八百長はほとんど起こらないし、予想するときは気にしなくてもよいというのが俺の考えだ。
ぜひこの記事を読んで、「競艇の八百長はどんなものなのか?」「どうして予想には関係ないのか?」をチェックしてみてくれ。
まずは、競艇の八百長がどんなものなのかについて解説していくぞ!
競艇の八百長とは?
競艇の八百長とは、「レースに出る選手と外部の舟券購入者が協力して、舟券で利益を得ること」だと俺は考えている。
例えば、「西川昌希」元選手は、本番のレース前にスマホを使って親戚と連絡を取り合っていたらしい。
そして、連絡を受けた親戚が舟券を買って、その払戻金から「西川昌希」元選手に報酬を支払っていたそうだ。
このように、競艇の八百長には、内部の人間と外部の人間が少なくとも1人ずつ関わっているぞ。
競艇の八百長は、外部に舟券購入者がいなければ成立しないのだ!
また、選手が八百長をするときは、1号艇や2号艇からわざと低い着順をとることが多い。
競艇では1号艇や2号艇が人気の中心になりやすく、そこから低い着順をとることで外部の舟券購入者が利益を得やすいからだ。
例えば、「西川昌希」元選手は、1号艇からわざと3着をとることで三連単396.5倍を出したことがある。
もちろん、枠番有利の1号艇や2号艇だからと言って、2着や3着を狙ってとるのは簡単ではない。
八百長をする選手は、ある程度の実力がないといけないぞ。
「西川昌希」元選手は、当時はA級のトップレーサーだったな。
八百長はオッズに現れる
出典:https://www.boatrace.jp/
八百長があったレースでは、オッズに違和感があることがある。
外部の舟券購入者が、本来なら人気がないはずの買い目に高い金額を賭けることで、その買い目のオッズが極端に下がるからだ。
例えば、上のイラストは2020年10月31日の大村第4Rの三連単オッズだが、「2-3-456」のオッズが「1-2-456」や「2-1-456」のオッズよりも低くなっていることがわかる。
次に、同じレースの二連単オッズを見てみよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
上のイラストから、二連単では「2-3」のオッズが「1-2」や「2-1」のオッズよりも高くなっていることがわかる。
三連単のオッズと二連単のオッズで、買い目の人気が逆転しているわけだな。
これは、外部の舟券購入者が三連単「2-3-456」に高い金額を賭けたことが原因の可能性が高い。
このレースは八百長が発覚したレースではないのだが、かなり怪しいレースだと考えていいだろう。
他の買い目と比べて、極端にオッズが低い買い目があったら八百長の疑惑があるぞ!
選手の思惑は八百長ではない
競艇では、「次のレースは同じ支部の先輩(あるいは後輩)を勝たせよう」と考えてレースをする選手がいるらしい。
このような選手はターンでわざと失敗して着順を下げたりするので、競艇ファンからは「八百長か?」と疑われることが多い。
しかし、俺はこの「選手の思惑」については八百長ではないと考えている。
なぜなら、このような選手は外部に協力者がいるわけではなく、一人で勝手に着順を下げているだけだからだ。
競艇の八百長は、外部に協力者がいないと成立しないぞ!
ここで注意したいのは、「選手の思惑」は八百長ではないが、予想の材料にはなることだ。
例えば、「次のレースで、〇〇選手は同じ支部の△△選手を勝たせようとするだろう」といった予想をするわけだな。
特に、4月と10月のレースには次の期の級別がかかっているので、このような思惑がはたらきやすいぞ。
レースの予想をするときは、全国勝率やモーター2連率の数値を見るだけでなく、選手の思惑についても考えると予想の精度が上がるだろう。
ただし、「本当に選手の思惑があるかどうか?」は正直言ってわからないので、信じすぎるのは危険だぞ。
データでの予想を基本として、選手の思惑も少し考えてみるイメージだな!
競艇に八百長はある?
結論から言えば、競艇に八百長はある。
しかし、毎日のように八百長レースが行われているかというと、そういうわけではない。
むしろ、八百長レースはほとんどないと考えていいだろう。
どうしてこのように考えているかを、選手側のメリット・デメリットから解説していくぞ。
競艇選手が八百長をするメリットは?
競艇選手が八百長をするメリットは、外部の協力者から報酬を受け取れることだ。
例えば、「西川昌希」元選手は、2019年7月2日のびわこ第7Rと第10Rでわざと着順を落とし、親戚から現金300万円を受け取っていたらしい。
現金300万円というのは、この2レースを真面目に走ったときの完走手当よりもかなり高い金額だな。
SG競走やG1競走などのグレードが高いレースでなければ、八百長をしたほうが競艇選手は稼げるのだ。
競艇選手は、八百長をして外部の協力者から報酬を受け取っているぞ!
ただ、競艇選手は八百長をしなくても十分にお金を稼げている。
級別ごとに平均年収をまとめたぞ。
級別 | 平均年収 |
---|---|
A1級 | 3,000万円 |
A2級 | 1,800万円 |
B1級 | 1,100万円 |
B2級 | 500万円 |
参考:キャリアガーデン
上の表から、最も低い級別のB2級でも、平均年収が500万円となっていることがわかる。
つまり、わざわざ八百長をしなくても、賞金や完走手当だけで普通に生活できるわけだ。
また、B級選手はA級選手と比べて、八百長をしても大きく稼ぐことはできない。
B級選手は1号艇でも人気が集まりにくいので、わざと着順を落としても高いオッズが付きにくいからだ。
A級選手はそもそも賞金で稼げているし、B級選手は八百長をしてもあまり稼げないといことだな。
競艇選手が八百長をするメリットは少ないように感じるな。
競艇選手が八百長をするデメリットは?
競艇選手が八百長をするデメリットは、警察に逮捕される可能性が高いことだ。
競艇には「モーターボート競走法」という法律があり、そこでは、
競走の選手が、その競走に関して賄賂ろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。
引用:モーターボート競走法
と決められている。
八百長をする約束をしただけで3年以下の懲役が科せられることから、八百長についてはかなり厳しく考えていることがわかるな。
また、競艇選手は前検日に私物検査や身体検査を受けなければならず、このときに携帯電話などの通信機器は競艇場に預けなければならない。
実際に、「平田忠則」選手は2004年に電子手帳を持ち込んで、1年間の出場停止処分を受けたことがあるぞ。
八百長や外部との連絡には、厳しい罰則が科せられるぞ!
競艇に八百長はほとんどない
八百長について、選手側のメリット・デメリットを比べると、メリットが少なくデメリットが大きいように感じるな。
これが、俺が「競艇に八百長はほとんどない」と考えている理由だ。
そもそも、競艇場への通信機器の持ち込みが禁止されている以上、外部の舟券購入者と協力するのも難しい。
なので、レースの予想をするときは、八百長については考えないことがおすすめだな。
八百長について考える時間があったら、出走表や直前情報から真面目に予想したほうが稼げるぞ。
八百長については、考えるだけ時間の無駄だな!
ここまでの解説で、競艇に八百長はほとんどないし、予想にも活かせないことがわかったな。
しかし、残念なことに、過去に1人だけ八百長で逮捕された選手がいる。
それが「西川昌希」元選手だ。
ここからは、「西川昌希」元選手が行った八百長について詳しく解説していくぞ。
「西川昌希」元選手が逮捕された八百長について
2020年1月上旬、「西川昌希」元選手が逮捕されたというニュースが報道された。
内容としては、「西川昌希」元選手が2019年7月2日のびわこ競艇場のレースで八百長を行い、協力者である親戚から現金300万円を受け取ったというものだ(参考:朝日新聞)。
さらに、その後の調査で、びわこ競艇場以外のレースでも八百長を行っていたことが判明した。
現在は、名古屋地裁で裁判が行われている状況で、「西川昌希」元選手は起訴内容を認めているそうだ(2020年3月27日時点)。
「どうして八百長が行われたのか?」「どのような八百長が行われたのか?」について、詳しく解説していくぞ。
「西川昌希」元選手はどんな選手だった?
「西川昌希」元選手は、2009年にデビューし、2013年にA級に昇級したのち、2019年の引退までA級選手として活躍していた。
さらに、2015年にはSG「第50回ボートレースクラシック」に出場し、準優勝戦3着まで進んでいる。
つまり、「西川昌希」元選手は、現役時代は一流選手だったということだ。
A級選手として十分な賞金を稼いでいたのに、どうして八百長をしてしまったのだろうか?
A級選手なら、平均年収で1,900万円~3,400万円くらいは稼いでいたはずだな。
実は、「西川昌希」元選手は相当のギャンブル好きで、競艇で稼いだお金を競馬や競輪で全て溶かしてしまっていたらしい。
そして、その負け分を取り戻すために、親戚に八百長の話をもちかけたそうだ(参考:YAHOO!JAPANニュース)。
また、2019年の引退の理由は「持病の腰痛のため」となっている。
もしかしたら、自身の選手生命が長くないことがわかっていて、最後に八百長で荒稼ぎしようとしたのかもしれないな。
なんにしても、自分がギャンブルするために八百長をしたのは許せることではないだろう。
「西川昌希」元選手は、競馬などで約2億円も負けていたらしいぞ!
八百長が行われたのはどんなレース?
「西川昌希」元選手が初めに逮捕されたときに、八百長レースとして挙げられたのが2019年7月2日のびわこ第7Rと第10Rだ。
この2レースでわざと着順を下げる代わりに、「西川昌希」元選手は親戚から現金300万円を受け取っている。
八百長が特にわかりやすかったびわこ第7Rについて、出走表、レース結果、オッズなどを確認してみよう。
びわこ第7Rでは、「西川昌希」元選手は2号艇で出場していた。
出典:https://www.boatrace.jp/
出走表を見ると、1号艇「磯部誠」選手の全国勝率が6名のなかで最も高く、5号艇「澤崎雄哉」選手や6号艇「齋藤達希」選手の全国勝率は低くなっている。
そのため、このレースでは三連単「1-234-234」の6点買いが当たりやすそうに見えるな。
実際に、三連単の1番人気は「1-2-4」の6.0倍、2番人気は「1-2-3」の6.3倍となっていたぞ。
しかし、レースは意外な結果となった。
出典:https://www.boatrace.jp/
4号艇「荒井翔伍」選手が1周目第1ターンマークで転覆し、レースが「1-5-3」で決着したのだ。
三連単「1-5-3」は13番人気のオッズ50.1倍だったぞ。
もしも、三連単「1-5-3」に5万円賭けていたら、約250万円の払戻金を手に入れることができるな。
八百長をするからには、1点当たりに賭ける金額は高額にしていると考えられるぞ!
このレースの怪しいところは、
- 2周目第1ターンマーク前に「西川昌希」元選手が急激に失速していること
- 2周目のバックストレッチで「西川昌希」元選手が着外になっていること
- 特定の買い目のオッズの急激に下がっていること
の3点だ。
まず、2周目第1ターンマーク前については、下の写真を見てほしい。
出典:スマイル君ボートレース情報チャンネル
2号艇「西川昌希」元選手と3号艇「前出達吉」選手が、第1ターンマーク前を団子状態で進んでいることがわかるな。
競艇では、救助艇が出動した場合、その付近は安全に走らなければならないというルールがある。
しかし、これはいくらなんでもスピードを落としすぎだろう。
「西川昌希」元選手には、「5号艇を2着にしよう」「3号艇に抜かれやすいようにしよう」という思惑があるように見えるな。
引き波からも、艇のスピードが全く出ていないことがわかるな。
次に、2周目のバックストレッチについては、下の写真を見てほしい。
出典:スマイル君ボートレース情報チャンネル
2周目の第2ターンマークに差し掛かるときには、3号艇「前出達吉」選手が2号艇「西川昌希」元選手を抜いていることがわかる。
このレースの展示タイムを見てみると、2号艇「西川昌希」元選手が6.77、3号艇「前出達吉」選手が6.84となっていた。
そのため、2号艇「西川昌希」元選手がバックストレッチの直線で抜かされるとは考えにくい。
おそらく、わざと減速して着外に落ちたのだろう。
モーターの調子を考えればあり得ない話だな。
最後に、オッズの変化については、下の2つのイラストを見てほしい。
1つ目のイラストは、電投締切5分前のオッズだ。
出典:競艇オッズ保管庫
2つ目のイラストは、本場締切後のオッズだ。
出典:競艇オッズ保管庫
2つのイラストから、電投締切5分前と本場締切後で、三連単「1-345-345」のオッズが急激に下がっていることがわかる。
これは、外部の協力者が「西川昌希」元選手の連絡を受けて、締切直前に三連単「1-345-345」の買い目を大量に購入したことが原因だろう。
レース内容だけでなく、オッズの変化を見ることで、八百長レースは見極めることができるぞ。
急激にオッズが下がっている買い目があったら、八百長の買い目の可能性があるのだ!
その後の調査の結果は?
「西川昌希」元選手の八百長レースは、初めに逮捕された時点ではびわこ競艇場のレースだけしかわかっていなかった。
しかし、その後の調査で、2019年の間に合計20レースで八百長を行っていたことや、報酬を合計で3,725万円を受け取っていたことが判明したぞ。
現在は、名古屋地裁で裁判が行われている状況で、「西川昌希」元選手は起訴内容を認めているそうだ(2020年3月27日時点)。
かなりの回数の八百長をやっていたんだな!
競艇の運営側の対応は?
「西川昌希」元選手の八百長事件に対して、競艇の公式サイトは「不正行為に関する再発防止策について」というお知らせを出している。
ここには、今後の対策として、
- 指導・研修会等の強化
- 倫理規程等の制定
- 管理・検査体制の強化
- 内部通報制度の導入
- 不正行為の監視体制の確立
- 褒賞懲戒規程等の厳罰化
- 競技運営に関する内部監査の実施
の7つを挙げている。
これらの対策のなかでも、特に期待したいのは「管理・検査体制の強化」だな。
ゲート型の金属探知機を設置したり、外部との通信を邪魔する装置を導入したりする予定らしい。
これだけで完璧というわけではないだろうが、今後は同じようなことが起こらないように期待したい。
競艇の運営側も、この事件については重く受け止めているみたいだな。
これで、「西川昌希」元選手が起こした八百長事件についての解説は終了だ。
一流選手が起こした事件だけにショックも大きいが、今後は同じようなことが起こらないように競艇の運営側には頑張ってほしいものだな。
最後に、八百長についてのよくある質問をまとめるぞ。
【競艇の八百長】よくある質問
競艇の八百長についてのよくある質問をまとめた。
競艇の八百長は返金される?
競艇の八百長があったレースについては「返金される可能性は低い」と俺は考えている。
現地で買った舟券について、誰がどのくらい買ったのかを証明することが難しいからだ。
当たり舟券なら自動払戻機に入れているはずだし、外れ舟券ならすでに捨ててしまっているだろう。
もしも舟券なしで返金できるなら、「言ったもの勝ち」になってしまうしな。
八百長のせいで外れてしまった方は気の毒だが、諦めることをおすすめするぞ。
競艇の八百長は過去にあった?
競艇の八百長で、はっきりと事件になったのは「西川昌希」元選手が初めてだ。
もしかしたら、管理体制が厳しくないころにはあったのかもしれないが、今となってはわからないな。
「西川昌希」元選手の事件で、今後の荷物検査などが厳しくなるので、今後は起こらないようになっていくと考えられるぞ。
競艇の八百長で怪しい選手は?
現在でも、掲示板などで八百長をすると疑われている選手は何名かいるみたいだな。
不確かな噂なので、この記事では具体的な名前を出すつもりはないが、気になる方は調べてみてもいいだろう。
しかし、八百長疑惑の選手がわかったところで、いつ八百長をするのかはわからない。
話半分程度にしておいて、真面目に予想の勉強をするのがおすすめだな。
競艇の八百長についての疑問は解決したか?
ここまでで、競艇の八百長について、俺が伝えたいことは全て伝えた。
最後に、この記事の内容を簡単におさらいしよう。
競艇の八百長|まとめ
競艇の八百長について、もう一度まとめると、
- 八百長とは、選手と外部の舟券購入者が協力して、舟券で利益を得ること
- 競艇の八百長はほとんど起こらない
- 予想するときに八百長については考えなくてよい
- 「西川昌希」元選手は八百長で逮捕されて、現在裁判中
- 競艇の運営側は今後は八百長が起こらないような管理・検査体制を強化する
の5つがポイントだ。
競艇に八百長はあってはならない。
八百長があると、真面目に予想したり、舟券を買ったりするのが馬鹿らしくなってしまうからだ。
その意味で、「西川昌希」元選手は、競艇選手や競艇ファンにとって最悪のことをした。
競艇の運営側はこの事件を重く受け止めて、管理・検査体制を強化するらしいので、今後は八百長が起こらないように期待したい。
普段のレースでは、八百長については気にしなくても大丈夫だ!
コメント
コメント一覧 (4件)
村上純が引退するみたいだけど八百長の噂があるみたいだけど事実なら舐め腐ってる。
一度でも八百長が発覚したらアウト。一生やらないし買わない。
雪印の偽装事件以来、雪印ブランドは完全に不買してる人を知ってるが、それと一緒だ。
一度でも信頼を裏切ったらアウトなんだよ。
八百長をきっかけにして、買う気がなくなったから個人的にはよい出来事だった。ほぼ八百長は無いってのは理解できるけど感情的に許せないし楽しめなくなった。
最近、暗い話題が多い状況ですから、信用をなくす行いはなくしてほしいですね。