競艇の勝率とは、着順点を出走回数で割った数値だ。
着順点とは、レースの着順に応じて選手に与えられる得点で、1着は10点、2着は8点、3着は6点…などと決まっている。
一般的に勝率と言うと「1着になる確率」を想像しそうだが、競艇の勝率は「選手の強さを表した数値」ということになる。
この記事では、
- 勝率の計算方法
- 勝率の見方
- 勝率のボーダー
- 枠番とコース別の傾向
について、競艇初心者でも分かりやすいように解説していく。

勝率の計算方法
勝率は「着順点の合計/出走回数」で計算される。
着順点とはレースの着順に応じて選手に与えられる得点で、何点貰えるかは「順位」「予選・準優か優勝戦か」「レースのグレード」によって決まる。
各レースごとに何点貰えるのかを下の表にまとめた。
着順 | 一般戦・G3 予選・準優 | 一般戦・G3 優勝戦 | G1・G2 予選・準優 | G1・G2 予選・準優 | SG 予選・準優 | SG 決勝戦 |
---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 10点 | 11点 | 11点 | 12点 | 12点 | 13点 |
2着 | 8点 | 9点 | 9点 | 10点 | 10点 | 11点 |
3着 | 6点 | 7点 | 7点 | 8点 | 8点 | 9点 |
4着 | 4点 | 6点 | 5点 | 7点 | 6点 | 8点 |
5着 | 2点 | 4点 | 3点 | 5点 | 4点 | 6点 |
6着 | 1点 | 3点 | 2点 | 4点 | 3点 | 5点 |
例えば、一般戦の予選の成績が「1着、1着、2着、2着、4着」だった選手の勝率は「(10+10+8+8+4)/5」で「8.00」となる。
競艇選手は全部で1,500人以上いるが、勝率が「8.00」を超える選手は10人前後しかいないぞ。

勝率の見方
勝率は、基本的には高ければ高いほど強い選手ということになる。
下の表は、競艇選手全体の勝率ごとの人数を調査したものだ。
勝率 | 人数 |
---|---|
8.00以上 | 10人 |
8.00~7.00 | 80人 |
7.00~6.00 | 300人 |
6.00~5.00 | 400人 |
5.00~4.00 | 400人 |
4.00~3.00 | 200人 |
3.00~2.00 | 100人 |
2.00以下 | 100人 |
※数値は概算
勝率に「1.00」以上の差がある場合は、明らかに実力が違うということを覚えておこう。
全国勝率と当地勝率
出典:https://www.boatrace.jp/
選手の勝率には、出走した全てのレースの成績で計算された「全国勝率」と、現在レースに参加している競艇場の成績のみで計算された「当地勝率」がある。
全国24カ所の競艇場は波や風などの独特の特徴があり、選手にとって走りやすい「静水面」と走りにくい「難水面」に分類される。
レース予想では、静水面では全国勝率、難水面では当地勝率を重視するのがポイントだ。
モーター勝率とボート勝率
出典:https://www.boatrace.jp/
勝率には、選手の勝率以外にも「モーター勝率」と「ボート勝率」がある。
選手の勝率と同じように、モーターごと、ボートごとに勝率が計算される。
レース予想では、モーター勝率は重視されるが、ボート勝率は無視されることが多い。
競艇の公式HPの出走表には、勝率の代わりに「2連対率・3連対率」という2着以内・3着以内に入る確率が表示されている。

勝率のボーダー
勝率のボーダーとは、目標の級別になるために必要な勝率の数値だ。
級別とは、選手の強さを4段階に分けたもので、上から順番にA1級、A2級、B1級、B2級となっている。
賞金の高いSGやG1はA1級選手しか出走することができないなど、級別によって選手の待遇が変わってくる。
レースの賞金で稼いでいる競艇選手にとって、1つでも上の級別になることは死活問題なのだ。
勝率は級別(ランク)に影響
出典:https://www.boatrace.jp/
級別は、2連対率・3連対率・事故率・最低出走回数の条件を満たした選手を勝率の高い順番に並べて、定率に従って割り振られる。
例えば、A1級になるためには、競艇選手全体の中で勝率上位20%に入らなければならない。
「勝率〇.〇〇以上ならA1級」というものではないので、ボーダーは級別の審査期間ごとに変わってくる。
勝率の審査期間と実施期間
勝率は半年ごとに審査され、更新される。
審査期間と実施期間は下の表の通りだ。
期 | 審査期間 | 実施期間 |
---|---|---|
前期 | 5月1日~10月31日 | 1月1日~6月30日 |
後期 | 11月1日~4月30日 | 7月1日~12月31日 |
例えば、2019年2月23日は、2018年5月1日~10月31日のレース結果を反映した勝率が表示されているということだ。
ボーダーすれすれの勝負駆けに注意
審査期間が終了直前の4月と10月のレースでは、勝負駆けが行われることがある。
勝負駆けとは、選手にとって大切なここ一番の勝負のことだ。
勝率がボーダーすれすれの選手は、1つでも上の級別に上がろうと多少無理してでも勝ちにいこうとする。
競艇新聞やアナウンスで「期末の勝負駆け」と紹介されている選手には注目してみよう。

関連用語
枠番やコース別の傾向
枠番とはレースごとに振り分けられる「艇番」のことで、1号艇は1枠、2号艇は2枠といったように決まっている。
競艇のスタートは少し特殊で枠番通りスタートしないこともあるが、今回は枠番とコースは同じものとして考える。
コース別の勝率と1着率の全国平均を下の表にまとめた。
コース | 勝率 | 1着率 |
---|---|---|
1コース | 7.81 | 54% |
2コース | 5.63 | 15% |
3コース | 5.26 | 12% |
4コース | 5.03 | 11% |
5コース | 4.19 | 6% |
6コース | 3.12 | 2% |
※数値は全国平均
1コースの勝率が圧倒的に高い
表を見ると、1コースは勝率が「7.81」、1着率が54%と他のコースに比べて明らかに高いことが分かる。
競艇は第1ターンマークで勝負が決まることが多いので、先にターンマークにたどり着ける1コースは圧倒的に有利なのだ。
レース予想をするときは、1号艇が勝てるのかどうかをまずは考えてみるといいだろう。
2コース以降の勝率もイン有利
2コース以降の勝率と1着率もインから順番に高くなっている。
注意してほしいのは、2コース、3コース、4コースにはあまり差がないことだ。
逆に、5コースと6コースは明らかに勝率と1着率が低くなっている。
コースの有利不利については、「1コース」→「2、3,4コース」→「5コース」→「6コース」と覚えておこう。

勝率の歴代の最高は?
勝率の歴代最高は「野中和夫」選手の「9.53」という記録だ。
当時は「モンスター」と呼ばれるくらい強い選手で、SGを全て制覇するグランドスラムを達成している。
2009年には引退してしまったが、彼の記録を破る選手は現れることはないだろう。

まとめ
競艇の勝率について、もう一度まとめると、
- 選手の強さを表した数値
- 半年ごとにレースの成績で計算
- 1コースの勝率が圧倒的に高い
の3つがポイントだ。
勝率は、レースの予想をするのに最もわかりやすい要素だ。
出走表を見るときは、勝率が高い選手が何号艇から出走するかに注目してみよう。

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