この記事では「競艇のチルトってなに?」という方に向けて、以下の内容をまとめた。
- チルトの意味や基礎知識
- レースへの影響の図解
- チルトを予想に活かすコツ
競艇のチルトとは、ボートにモーターを取り付ける角度のことで、-0.5~3.0度の間で調整ができる。
チルトを下げると出足が良くなり、上げると伸び足が良くなると言われているぞ。
以前はチルト-0.5度が主流だったが、最近ではチルト0.0度を使う選手も増えてきているな。
そのため、まくりを特に警戒するのは、チルト0.5度以上の選手にしておこう。
ここからは、チルトの基礎知識や予想に活かすコツを解説するので、ぜひ最後まで読んでみてくれ。
チルトを予想に活かして、的中率と回収率を上げよう!
競艇のチルト(チルト角)とは?
競艇のチルト(チルト角)とは、ボートにモーターを取り付ける角度のことだ。
選手はチルトアジャスターという部品を使ってチルトを調整するぞ。
チルトは基本的には-0.5~3.0度で調整できるが、競艇場によっては制限がある。
また、最近の競艇では、チルトは-0.5~0.0度が主流となっているな。
ここからは、チルトの基礎知識を解説するので、初心者は参考にしてみてくれ。
競艇の公式サイトの解説も載せておくぞ!
ボートにモーターを取り付ける角度をチルトと呼び、チルトアジャスターという部品で調整する。取り付け角度が小さいほど出足が強くなり、逆に角度が大きくなるほど伸びが良くなるといわれている。レース場によって使える角度に違いはあるが、おおむね「-0.5度、0度、0.5度、1.0度、1.5度、2度、3度」となっている。各レーサーのチルトの取付状況は、場内アナウンスやモニターなどで発表される。
チルトはモーターの取り付け角度
競艇のチルト(チルト角)とは、ボートにモーターを取り付ける角度のことだ。
チルトによって、選手はボートに対するプロペラの角度を調整するぞ。
例えば、チルト0.0度は、モーターがボートに対して水平に取り付けられた状態だ。
この場合は、プロペラはボートに対して垂直になっているな。
チルトを調整すると、上のイラストのようにモーターと共にプロペラが傾くぞ。
チルトを調整すると、プロペラの角度が変わるわけだな!
チルトはチルトアジャスターで調整
出典:ボートレース尼崎
競艇選手は、チルトアジャスターという部品を使って、レース前にチルトを調整する。
チルトアジャスターとは、上の写真のような五角形の部品だな。
これの向きを合わせることで、ボートに対するモーターの取り付け角度を調整できるぞ。
競艇では、チルトを-0.5度に近付けることを「チルトを下げる」と言う。
逆に、チルトを3.0度に近付けることは「チルトを上げる(跳ねる)」と言っているな。
選手はチルトアジャスターを使って艇にモーターを取り付けるぞ!
チルトの制限は競艇場ごとに違う
競艇のチルトは、基本的には-0.5~3.0度の範囲で、0.5度ずつ最大8段階の調整ができる。
しかし、競艇場によっては、チルトの最大角度に制限があるぞ。
競艇場ごとに使用できるチルトをまとめたので、自分が予想する競艇場を確認してみてくれ。
競艇場 | 使用できるチルト |
---|---|
戸田 | -0.5度、0.0度、0.5度 |
桐生 | -0.5度、0.0度、0.5度、1.0度 |
住之江、若松、福岡、大村 | -0.5度、0.0度、0.5度、1.0度、1.5度 |
江戸川、徳山 | -0.5度、0.0度、0.5度、1.0度、1.5度、2.0度 |
浜名湖、びわこ | -0.5度、0.0度、0.5度、1.0度、1.5度、2.0度、2.5度、3.0度 |
上記以外の14場 | -0.5度、0.0度、0.5度、1.0度、1.5度、2.0度、3.0度 |
基本的には、難水面の競艇場ほど、事故防止のためにチルトの最大角度は小さくなっている。
ただ、日本一の難水面である江戸川競艇場ではチルト2.0度まで使用できるな。
これを踏まえると、難水面だからと言って制限がきついというわけでもなさそうだぞ。
競艇場によって使用できるチルトは違っているのだ!
最近ではチルト-0.5~0.0度が主流
出典:https://www.boatrace.jp/
選手がチルト何度に調整するのかは自由だが、最近ではチルト-0.5~0.0度が主流となっている。
これは、モーターの出足や艇の乗り心地を重視する選手が多いからだろう。
また、少し前はチルト-0.5度ばかりだったが、最近になってチルト0.0度も増えてきたぞ。
もしかしたら、チルト0.0度でも乗りやすい調整が見つかったのかもしれないな。
チルト0.0度は、以前はまくりのイメージだったが、最近では逃げや差しもあるので注意しよう。
スロースタートでも、チルト0.0度にする選手が増えてきたな!
チルトのレースへの影響を図解
競艇のチルトは、下げるとモーターの出足が良くなり、上げるとモーターの伸び足が良くなる。
これは、チルトを変えると、艇の水面と接する面積が変わるからだな。
具体的には、チルトを下げると接水面積が大きくなり、艇の初速が安定して出やすくなる。
逆に、チルトを上げると接水面積が小さくなり、艇の最高速度が速くなるのだ。
ここからは、チルトのレースへの影響を図解するので、チルトのイメージを掴んでみてくれ。
- チルト0.0度は真っ直ぐ進むバランス型
- チルト-0.5度は艇先が沈む出足型
- チルト0.5度以上は艇先が浮く伸び足型
- チルト3.0度は全くの別物
チルトについての選手のインタビューも紹介するぞ!
チルト0.0度は真っ直ぐ進むバランス型
チルト0.0度はプロペラの推進力と艇の進行方向が同じ向きで、真っ直ぐ進むバランス型になる。
出足も伸び足もそこそこ良くなる調整なので、どのコースからでも戦いやすいぞ。
チルトの調整は、少し前は-0.5度ばかりだったが、最近では0.0度にする選手も増えてきた。
おそらく、チルト0.0度の研究が進み、乗りやすい調整が見つかったのだろう。
チルト0.0度は、以前はまくりのイメージだったが、最近では逃げや差しもあるので注意しよう。
チルト0.0度は、どのコースでも戦えるバランス型の調整だな!
チルト-0.5度は艇先が沈む出足型
チルト-0.5度はプロペラの推進力が艇の進行方向の斜め上を向き、艇先が沈む出足型になる。
艇先が沈むと接水面積が大きくなり、艇の初速が安定して出やすくなるぞ。
また、接水面積が大きいと艇が安定するので、乗り心地やまわり足も良くなりやすいな。
少し前は、選手が出足や乗り心地を重視して、チルト-0.5度にするのが主流だった。
しかし、最近では伸び足を付けるためにチルト0.0度にする選手も増えているので注意しよう。
チルト-0.5度は、出足とまわり足を重視した調整だな!
チルト0.5度以上は艇先が浮く伸び足型
チルト0.5度はプロペラの推進力が艇の進行方向の斜め下を向き、艇先が浮く伸び足型になる。
艇先が浮くと接水面積が小さくなり、艇の最高速度が速くなるぞ。
ただし、接水面積が小さいと艇が不安定になるので、乗り心地やまわり足は悪くなる。
乗り心地やまわり足が悪いと、ターンで他の選手に後れをとることになるな。
このことから、チルトは上げても0.5度までが多く、チルト1.0度以上はほとんど使用されないぞ。
チルト0.5度以上は、伸び足を重視した調整だな!
チルト3.0度は全くの別物
この動画は「ういち」氏、「菊地孝平」選手、「茅原悠紀」選手の3名によるスペシャル対談だ。
チルトについては23:24くらいから話しているので、よかったら聞いてみてくれ。
まず、茅原選手は「僕ら素人レベルで言ったら、使えるのは0.5までです」とコメントしている。
ここで言う素人レベルとは、チルトを上げることについての素人という意味だろう。
茅原選手ほどの一流選手でも、普段から練習していないとチルト1.0以上は使いこなせないようだ。
「茅原悠紀」選手は、SG・G1優勝回数も多い一流選手だな!
また、菊地選手は「-0.5度と0.0度の違いより、0.0度と0.5度の違いのほうが大きい」と言っている。
これについては、茅原選手がチルトの違いを衣服の違いに例えて話していたぞ。
具体的には、チルト-0.5度をシャツとすると、チルトごとにこのような違いがあると言っていた。
- 0.0度・・・ジャケット
- 0.5度・・・ダウン
- 1.0度・・・エスキモー
- 3.0度・・・宇宙服
この表現から、チルト-0.5度とチルト0.5度、1.0度には、そこまで大きな違いはないと想像できる。
一方、チルト3.0度は宇宙服に例えられており、チルト-0.5度とは全くの別物だとわかるな。
茅原選手の例え話から、チルト3.0度を使いこなすのがどれだけ難しいのかをイメージできるだろう。
チルト3.0度は、普段から慣れている選手でないと使いこなせないぞ!
競艇のチルトを予想に活かすには?
チルトは、-0.5度と0.0度にはあまり差はないので、予想するときにあまり気にしなくてもいい。
一方、チルト0.5度以上にする選手は、伸び型にしてまくりを狙っていることが多い。
スタートで先行できればまくり一発が決まる可能性があるので、平均ST・今節STを確認しよう。
また、チルト3.0度は小回りが利かないので、1着か着外になることが多いな。
チルトは現地のモニターや公式サイトの直前情報で確認できるので、予想に活かしてみてくれ。
- チルト-0.5~0.0度はあまり気にしない
- チルト0.5度以上はまくりを警戒
- チルト3.0度は1着か着外を考える
ここからは、チルトを予想に活かす方法を解説するぞ!
チルト-0.5~0.0度はあまり気にしない
出典:https://www.boatrace.jp/
チルトを予想に活かすコツの1つ目は、チルト-0.5度と0.0度の違いはあまり気にしないことだ。
少し前は、選手が出足や乗り心地を重視して、チルト-0.5度にすることが多かった。
しかし、最近ではスロースタート(主に1~3コース)でもチルト0.0度にする選手が増えてきたぞ。
おそらく、チルト0.0度でもバランスをとりやすい調整が見つかったのだろう。
チルト0.0度は、以前はまくりのイメージだったが、最近では逃げや差しもあるので注意しよう。
チルト-0.5度と0.0度の違いは、あまり気にしなくても良さそうだ!
チルト0.5度以上はまくりを警戒
出典:https://www.boatrace.jp/
チルトを予想に活かすコツの2つ目は、チルト0.5度以上の選手のまくりを警戒することだ。
まくりはスタート勝負になるので、選手の平均ST・今節STを比べてみよう。
チルトを上げた選手がスタートで前に出られそうなら、1着を買っておくのもありだな。
また、直前情報の展示タイムにはモーターの伸び足が反映される。
チルトを上げた艇の展示タイムが良いときは、モーターの調整に成功したと判断できるぞ。
まくりが決まると、まくった艇の外側の艇が2・3着に続きやすいな!
チルト3.0度は1着か着外を考える
出典:https://www.boatrace.jp/
チルトを予想に活かすコツの3つ目は、チルト3.0度の艇がいたら1着か着外で考えることだ。
チルト3.0度は出足や乗り心地を犠牲にして、伸び足に特化した調整をしている。
そのため、スタートで先行できれば、そのまま先頭を走って1着をとることができるぞ。
一方、ターンでの競り合いはできないので、レース中盤はかなり不利になるな。
1着をとれない場合は、着外になることが多いので、2・3着の舟券は買わなくてもいいだろう。
チルト3.0度の艇は、1着で買うor買わないの2択だな!
競艇でチルトを跳ねる選手は?
競艇でチルトを跳ねる(上げる)選手と言えば「菅章哉」選手や「阿波勝哉」選手などが有名だ。
この記事の前半で解説した通り、チルト1.0度以上は普通の選手には使いこなせない。
そのため、チルト1.0度以上に調整した選手がいても、普通の選手なら活躍しないことが多いぞ。
一方、この2名は普段からチルトを上げているので、チルト1.0度以上も使いこなせる。
チルトを上げた選手がいるときは、その選手がチルト1.0度以上に慣れているかに注意してみてくれ。
ここからは、チルトを跳ねる有名な選手を紹介するぞ!
「菅章哉」選手は4~6号艇でチルトを上げやすい
出典:https://www.boatrace.jp/
チルトを跳ねることで有名な選手の1人目は、徳島県の「菅章哉」(すがふみや)選手だ。
菅選手は、1~3号艇のときは、チルト0.0~0.5度で枠なり進入することが多い。
このときの動きは他の選手とあまり変わらないので、普段通り予想しても大丈夫だろう。
一方、4~6号艇のときは、チルト3.0度にして6コースに入ることがある。
しかし、枠なり進入のときもあるので、菅選手が4~6号艇のときは進入隊形に注意しよう。
「菅章哉」選手は、SG競走にも出場したことがある有名選手だな!
「阿波勝哉」選手はチルト1.0~1.5度が多くなった
出典:https://www.boatrace.jp/
チルトを跳ねることで有名な選手の2人目は、東京都の「阿波勝哉」(あわかつや)選手だ。
阿波選手は、ほぼ全てのレースで6コースに進入するアウト屋としても有名だな。
かつてはチルト3.0度で活躍していたが、最近ではチルト1.0~1.5度を使うことが多いぞ。
おそらく、2012年に持ちペラ制が廃止されたことが向かい風になったのだろう。
しかし、他の選手の6コースよりも舟券に絡むことは多いので、舟券を買うときは注意しよう。
「阿波勝哉」選手は、6コースでも舟券に絡んでくるぞ!
競艇のチルト|よくある質問
ここからは、競艇のチルトについてのよくある質問に回答していくぞ。
チルト3.0度が禁止されている競艇場は?
チルト3.0度が禁止なのは、桐生・戸田・江戸川・住之江・徳山・若松・福岡・大村の8場だ。
難水面の競艇場は、事故防止のためにチルト3.0度が禁止されていることが多いな。
チルト4.0度が検討されたことがある?
チルト4.0度は、2008年に多摩川競艇場で試運転されたことがあるらしい。
しかし、現在使われていないところを見ると、チルト4.0度は採用されなかったようだな。
競艇のチルト50ってなに?
競艇のチルト50は、競艇の動画をアップしているYouTubeチャンネルだ。
レースの動画があったり、予想会をしていたりするので、気になる方はチェックしてみてくれ。
他にも疑問があれば、記事下のコメント欄から質問してみてくれ!
競艇のチルト|まとめ
競艇のチルトについては、この5つがポイントだ。
- チルトはモーターの取り付け角度
- 最近ではチルト-0.5~0.0度が主流
- チルトを下げると出足が良くなる
- チルトを上げると伸び足が良くなる
- チルト3.0度は全くの別物
競艇のチルトは-0.5度と0.0度なら大きな違いはなく、予想するときもあまり気にしなくてもいい。
チルト0.0度は、以前はまくり狙いが多かったが、最近では逃げや差しも多いぞ。
一方、チルト0.5度以上にしている選手は、これまで通りまくり狙いが多いので警戒しておこう。
また、チルト3.0度の選手は小回りが利かず、1着か着外のどちらかになることが多いな。
チルトは現地のモニターや競艇場の公式サイトで確認できるので、ぜひ予想に活かしてみてくれ。
下の参考動画でも、チルトについて詳しく解説されているぞ!
競艇のチルト|関連記事
競艇の用語集の最新記事(2024年9月27日更新)
競艇のチルト|コメントへの回答
この記事に投稿されたコメントに回答していく。
ただし、全てのコメントに回答するわけではないので、ご了承願いたい。
コメントの活用法はコメントポリシーにまとめているぞ。
記載内容に誤記がありました
2022年11月9日に「挿絵の記載内容に誤記がある」というコメントをもらった。
コメントでの指摘ありがとう!
俺のほうでも記載内容を確認したところ、たしかに誤記だったので修正した。
俺が記事を書くときは、なるべく誤記のないよう気を付けている。
しかし、どうしても気付かないこともあるので、このようなコメントは助かるぞ。
コメント
コメント一覧 (2件)
あと
チルトのレースへの影響を図解
挿絵のオヤジさんのコメント
どっちも「チルトを下げると」になってますね
「はねる」という言い方なので、プロペラが上を向くのがプラスだと思ってましたが
逆なんですね。勉強になります。