「競艇のスタート展示や周回展示ってなに?」
「スタート展示でフライングした選手は買ったらダメ?」
「展示タイムが早い選手はどのくらい勝てるの?」
こんな風に思っている方が、この記事を読んでいるのではないだろうか?
競艇のスタート展示や周回展示とは、本番のレース直前に、それぞれの選手が全力でスタートやターンの練習をすることだ。
俺たちはその練習の様子を、競艇の公式HPや競艇場のモニターで見ることができる。

展示航走を予想に活かさず、出走表の情報だけで予想していては的中率を上げることは難しい。
なぜなら、出走表だけでは「リアルなモーターの強さ」が分からないからだ。
例えば、出走表ではモーター2連率が「40.0」を超えているモーターでも、周回展示や展示タイムは大したことがないということがある。
予想に使える情報をフルに活かすことが、競艇勝ち組への近道となるのだ。
この記事の目次
- 競艇の展示航走とは?
- スタート展示の見方と予想
- 周回展示の見方と予想
- 展示タイムの見方と予想

競艇の展示航走とは?【意味と見方】
競艇の展示航走とは、本番のレース直前に、レースに出走する選手がスタートやターンの練習をすることだ。
俺たちは舟券を買う前に展示航走を見ることで、「本番のレースのスタート隊形」や「選手のモーターの強さ」を判断することができる。
例えば、展示航走で前づけが行われていた場合は、本番のレースでも前づけが行われることが多いので、それを前提に予想を組み立てなければならない。
出走表の情報に展示航走の情報をプラスすることで、当たる予想が初めてできるというわけだな。

さて、展示航走は「スタート展示→周回展示(2周)→展示タイムの測定」の流れで行われ、それぞれの情報で、
- スタート展示
→行き足、進入隊形、スタートタイミング - 周回展示
→乗り心地、回り足 - 展示タイム
→伸び足
を見ることになる。
主に「モーターの強さ」を見るということだな。
競艇では、モーターの力が選手の実力と同じくらいレースの結果に影響する。
詳しい見方は順番に解説していくので、1つ1つマスターしていってくれ。

競艇のスタート展示とは?【意味と見方】
競艇のスタート展示とは、本番のレースの直前に、レースに出走する選手がスタートの練習をすることだ。
本番のレースを想定して、ピットアウトからスタートまでしっかりと行われる。
スタート展示で見るべきポイントは、
- モーターの行き足
- 進入隊形
- スタートタイミング
の3つだ。
進入隊形とスタートタイミングは、直前情報の画面でデータや数値として確認できるので分かりやすい。
逆に、モーターの行き足は中継を見ながら目視で確認することになるので、競艇初心者には難しく感じるかもしれない。
何レースもスタート展示を見て、少しずつ慣れていこう。
モーターの行き足の見方と予想のコツ
モーターの行き足とは「最高速になるまでの中間速」のことだ。
車で例えるなら、セカンドギアだな。
行き足が良いと、スタート後の第1ターンマークに早くたどり着けたり、ターン後の直線で早く最高速になることができる。
逆に、行き足が悪いと、スタートが良くても第1ターンマークを先マイ(先にターンすること)できなかったり、直線での最高速で走れる距離が短くなったりしてしまう。

選手ごとの行き足は、スタート展示で、スタート後の艇のスピードの伸びを比べることで判断できる。
数値として出るわけではないので、競艇場のモニターや中継サイトのVTRで確認しよう。
スタート~第1ターンマークで、スピードが伸びて他の艇に追いつくような選手は行き足が出ている。
逆に、スピードが伸びずに他の艇に引き離れるような選手は行き足が出ていない。
行き足が出ている艇は本番のレースでも活躍が期待できるので、〇印をつけておこう。

進入隊形の見方と予想のコツ
進入隊形とは「それぞれの選手がどのコースからスタートするか」を表した言葉だ。
基本的には枠なり進入(枠番通りのコースでスタート)が多いが、アウトコースの艇が前づけ(インコースを取ること)を行うこともあるのでしっかりとチェックしたい。
例えば、上のイラストでは、5号艇が前づけを行って「125346」の進入隊形になっていることが分かる。

競艇初心者には「スタート展示で大きな前づけ(アウトコースの艇が1~3コースに入るような前づけ)が行われたレースは買わない」ことをおすすめしたい。
理由としては、大きな前づけが行われた場合、本番のレースでスタート展示通りの進入隊形になるとは限らないからだ。
先ほど例に挙げたレースでも、スタート展示は「125346」の進入隊形だったが、本番のレースでは「124563」の進入隊形に変わってしまった。
4号艇が5号艇の前づけを防ぐために動いたのだ。
進入隊形が変わると、レース展開が全く異なるので、せっかくの予想が無駄になってしまうわけだな。

スタートタイミングの見方と予想のコツ
スタートタイミングとは「それぞれの選手がどのくらいのタイムでスタートできたか」を表した言葉だ。
スタート展示ではフライングをしてもペナルティがないので、それぞれの選手はまずはタッチスタート(.00のスタート)を狙って全速力でスタートする。
その後、控え室で自分のスタートを見ながら、本番のレースでどうするのかを考えるのだ。
例えば、上のイラストでは、1号艇がスタート展示で「F.04」(「.04」のフライング)をしていることが分かる。
このような場合、1号艇の選手は「本番のレースでは、少しだけスロットルレバーを握る(車でいうアクセルを踏む)タイミングを遅らせよう」と考えるわけだな。

スタートタイミングを見るときの前提として「本番のレースでは、基本的にはスタート展示通りのスタートタイミングにはならない」ことに注意したい。
本番のレースでフライングをするとペナルティがあるので、選手は本番のレースでは慎重にスタートするからだ。
その上で、スタートタイミングごとの選手の調子を見るなら、
- 「.05」以内の正常なスタート
- 「F.05」以内のフライング
- 「F.05」以上早いフライング
- 「.05」以上遅れた正常なスタート
の順番で調子が良いと考えられる。
1はレース本番でも同じ感覚でスタートすれば良いだけだし、2も微調整で好スタートが切れるだろう。
3は選手の想像よりもモーターの行き足が良いときなので、スロットルレバーを握るタイミングを遅らせれば、スタートタイミングを合わせられる。
4は一番問題で、明らかにモーターの行き足が出ていないときなので、いくら頑張っても早いスタートが難しい可能性がある。
もちろん、例外はあるので、他の要素と組み合わせて予想することが重要だ。

競艇の周回展示とは?【意味と見方】
競艇の周回展示とは、本番のレースの直前に、レースに出走する選手がターンの練習をすることだ。
それぞれの選手はスタート展示の後で、一定間隔ごとに出発して「第1ターンマーク→第2ターンマーク→第1ターンマーク」の順番にターンを合計3回する。
周回展示で見るべきポイントは、
- 艇の乗り心地
- モーターの回り足
の2つだ。
この2つは、数値ではなく目視で確認することになるので、周回展示を何度も見て慣れていこう。
また、1回のターンで良し悪しを判断するのは危険だ。
たまたま強い風が吹いたとか、たまたま強い波が立っていたなどの理由が考えられるからだ。
ターンは3回あるので、3回のターンのトータルで判断しよう。
艇の乗り心地の見方と予想のコツ
艇の乗り心地とは「艇がバタバタしていないかどうか」を表した言葉だ。
車で例えると、凸凹した道を走るときに「どのくらい車がガタガタしないか」みたいな感じだな。
乗り心地が良いと、選手は自信を持って大胆なターンができ、思い通りの場所に艇を運べるようになる。
逆に、乗り心地が悪いと、転覆を恐れて慎重なターンになってしまったり、狙ったターンを決めることが難しくなったりする。

選手ごとの乗り心地は、周回展示で、艇がばたついていないかどうかで判断できる。
数値として出るわけではないので、競艇場のモニターや中継サイトのVTRで確認しよう。
ターンを静かに回れる選手は乗り心地が良く、ターンで艇がばたついている選手は乗り心地が悪い。
乗り心地が悪そうな選手は本番のレースで活躍が期待できないので、×印をつけておこう。

モーターの回り足の見方と予想のコツ
モーターの回り足とは「モーターのターンをきれいに回る能力」のことだ。
車で例えるなら、タイヤが地面をとらえる能力のような感じだな。
回り足が良いと、プロペラが水をしっかりと捉えられるので、旋回半径の小さいターンができるようになる。
逆に、回り足が悪いと、ターンがふくらんでしまい、内側を差されてしまう原因になる。

選手ごとの回り足は、周回展示で、ターンが外側に流れていないかで判断できる。
数値として出るわけではないので、競艇場のモニターや中継サイトのVTRで確認しよう。
艇の先端が早く内側に向いたり、コースの内側に向けて艇が流れていく選手は回り足が良い。
逆に、艇の先端がなかなか内側に向かなかったり、コースの外側に向けて艇が流れていく選手は回り足が悪い。
回り足が出ている艇は本番のレースでも活躍が期待できるので、〇印をつけておこう。

競艇の展示タイムとは?【意味と見方】
競艇の展示タイムとは、それぞれの選手の直線タイムを測定したものだ。
タイムは、周回展示の2周目のバックストレッチのスタートライン延長線から第2ターンマークまでの150mで測定される。
展示タイムで見るべきポイントは「モーターの伸び足」だ。
展示タイムは、周回展示が終了した後の場内アナウンスや、直前情報の画面で数値として確認できる。
初心者でも分かりやすいので、ぜひ予想に活かしてみてくれ。
モーターの伸び足の見方と予想のコツ
モーターの伸び足とは「直線での最高速」のことだ。
車で例えるなら、トップギアだな。
伸び足が良いと、バックストレッチの直線で他の艇と競り合ったときに、追い抜くことができる。
逆に、伸び足が悪いと、バックストレッチの直線で他の艇に追い抜かれてしまう。

選手ごとの伸び足は展示タイムが早ければ早いほど良いと判断でき、「0.15秒」違うとバックストレッチで1艇身の差ができると言われている。
例えば、
- 選手A:展示タイム「6.70」
- 選手B:展示タイム「6.85」
の2人が同時にバックストレッチに入ったとすると、第2ターンマークに着くときには選手Aが1艇身だけ前に出ているということだな。
6艇のなかで、展示タイムが明らかに早い選手には〇印を、明らかに遅い選手には×印をつけておこう。

展示タイムの差は重要!
展示タイムについて、興味深いデータがあるので紹介したい。
下の表は、枠番別に展示タイムの順位ごとの1着率をまとめたものだ。
展示 タイム | 1号艇 | 2号艇 | 3号艇 | 4号艇 | 5号艇 | 6号艇 |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 54.2% | 23.3% | 20.0% | 17.8% | 10.2% | 6.9% |
2位 | 49.1% | 18.7% | 15.8% | 14.3% | 7.7% | 5.2% |
3位 | 45.0% | 15.8% | 13.8% | 12.0% | 7.1% | 4.5% |
4位 | 42.1% | 14.4% | 12.0% | 10.9% | 5.9% | 3.9% |
5位 | 39.8% | 12.7% | 10.6% | 9.2% | 5.0% | 3.2% |
6位 | 35.5% | 10.9% | 8.8% | 7.5% | 4.3% | 2.7% |
上の表から、1号艇の1着率は、展示タイムが6艇のなかで一番良かったときは「54.2%」で、一番悪かったときは「35.5%」ということがわかる。
その差は「18.7%」とかなり大きい。
他の枠番についても、1号艇ほどではないにしても、展示タイムが早いほうが1着率が高くなっている。
1号艇の展示タイムが6艇のなかで最も悪いときは、1着から外して舟券を買うと面白いかもしれないな。

展示航走のよくある質問
ここからは、展示航走についてのよくある質問に答えていく。
展示タイムはアプリはある?
展示タイムに関するアプリでは「展示ストップウォッチ」が有名だ。
6つのストップウォッチで、それぞれの選手の独自の展示タイムを測定することができるぞ。
例えば「出足+行き足+伸び足+回り足」の総合力を見たいときは、展示航走を見ながら「1周タイム」を計ると便利だ。
スタート展示や周回展示のリプレイを見る方法は?
スタート展示や周回展示は、インターネット上の配信サイトでリプレイを見ることができる。
しかし、展示航走が終了した直後は見ることができず、本番のレースが始まる15分前くらいに映像が更新される。
できれば、リアルタイムでモニターや中継を見たいところだ。
配信サイトは競艇場ごとに、PC用サイトとスマホ用サイトが用意されている。
リアルタイムで見逃してしまった方は、下の記事の一覧表の「リプレイを見る」から「展示リプレイ」をチェックしてみてくれ。
スタート展示や周回展示は台風が来るとどうなる?
スタート展示は天気に関わらず行われるが、周回展示は荒天候のときは1周だけで終わることがある。
1周だけで、しかも強い風が吹いているときの周回展示は、ほとんど当てにならない。
レース予想も難しくなるので、競艇初心者は舟券を買わないのがおすすめだ。
スタート展示のスリット写真って何?見方は?
スリット写真とは、スタート展示での6艇のスタートタイミングを撮った写真だ(上の写真)。
一番右の白い線がスタートラインで、下の数字がスタートタイミングから何秒ずれていたかを表している。
例えば、上の写真からは、1号艇は「0.0~0.1」の間にスタートを決めていることがわかる。
スタート展示のタイムはイラストのほうが見やすいので、特にスリット写真を見る必要はないだろう。
【競艇の展示航走】まとめ
競艇の展示航走について、もう一度まとめると、
- スタート展示で行き足、進入隊形、スタートタイミングをチェック
- 周回展示で乗り心地、回り足をチェック
- 展示タイムで伸び足をチェック
の3つが重要だ。
モーターの強さに関係している「行き足」「乗り心地」「回り足」「伸び足」を選手ごとにチェックして、出走表に〇印や×印をつけてみよう。
選手のデータだけでは分からなかった、意外な穴舟券が見えてくるかもしれないぞ。

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