この記事では「競艇予想で当てたい!勝ちたい!」という方に向けて、競艇のレース予想の仕方を全て解説する。
まず始めに伝えたいことは、競艇予想には「選手」「モーター」「コース」「展開」の4つの要素しかないということだ。
例えば、「A1級選手」が「高性能のモーター」に乗って、「1コース」から「トップスタート」を決めれば、必ず1着を獲ることができるだろう。
逆に、どんなに強い選手でも、モーターが弱かったり、6コースからのスタートだったりすると、勝つのは難しくなってくる。
4つの要素のバランスが大切ということだな。
競艇でなかなか勝てない方は、この4つのバランスの取り方を間違えていることが多い。
「峰竜太なら、少しくらい弱いモーターでも何とかしてくれる」
「B2級選手だけど、1号艇だし、もしかしたら1着を獲ってくれるかも…?」
このような考え方では、競艇の収支をプラスにすることは難しいだろう。
俺も昔はこんな風に考えていて、競艇場に行くたびに負けていた。
また、競艇初心者のなかには、「選手の強さ」や「モーターの気配」を判断する方法がわからず、オッズを見ながら適当に舟券を買っている方もいるかもしれない。
たしかに、オッズを見ながら買う方法でも、ある程度の的中を狙うことはできる。
しかし、人気の舟券を買っているだけでは高額の払戻金は狙えないので、少しずつお金が減っていくだけだ。
逆に、万舟券ばかり買っていても全く的中しないぞ。
そこで、この記事では、予想の仕方がわからない「競艇初心者」から、知識はあってもなかなか勝てない「競艇中級者」まで、どのような方にもわかりやすく、役に立つように「競艇予想」についてまとめてみた。
もちろん、競艇予想には色々な考え方があるので、「あれ?自分の知ってるセオリーと違う」と思うこともあるかもしれない。
しかし、俺は実際にこの考え方でプラス収支を出しているので、参考にはなるはずだ。
ぜひ最後まで読んで、明日からのレース予想の的中率をアップさせてほしい。
まずは、競艇予想の大まかな流れを押さえよう。
競艇予想は4つの要素で決まる
冒頭でも言った通り、競艇予想は「選手」「モーター」「コース」「展開」の4つの要素で決まるというのが、俺の考えだ。
「選手」は選手の強さ、「モーター」はモーターの性能、「コース」はコースの有利・不利を表しているのは何となく分かってもらえると思う。
少し分かりにくいのは「展開」だが、この記事における「展開」はスタート隊形や第1ターンマークでの攻防のことを表している。
具体的には、スタートが横一列なら1コースが勝ちやすいとか、4コースがまくったら1~3コースは潰れやすいとかいった話だな。
展開についての詳しい説明は、記事の後半でしているぞ。
例えば、出走表に書かれている項目を、4つの要素に分類してみよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
- 選手
→級別、支部、勝率、2連率・3連率 - モーター
→モーター2連率・3連率、ボート2連率・3連率 - コース
→枠番 - 展開
→平均ST、F数、L数
このように、出走表に書かれている項目は、「選手」「モーター」「コース」「展開」の4つに分けることができるぞ。
ボート2連率・3連率は、厳密に言えばモーターの能力ではないが、「選手が乗っている艇の能力」という意味では同じなので、モーターに分類している。
また、平均ST、F数、L数は、選手の能力と見ることもできるが、どちらかというと展開を予想するときに使うことが多いので、展開に分類している。
このように分類することで、競艇予想が分かりやすくなるのだ。
具体的なレースを例に挙げて、4つの要素を使った予想をしてみよう。
下の出走表は、2019年7月15日に行われた「オーシャンカップ」の優勝戦のものだ。
出典:https://www.boatrace.jp/
このレースについて、4つの要素をそれぞれ評価したものが下の表だ。
枠番 | コース | 選手 | モーター | 展開 |
---|---|---|---|---|
1号艇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
2号艇 | △ | 〇 | × | 〇 |
3号艇 | △ | 〇 | 〇 | △ |
4号艇 | △ | △ | △ | △ |
5号艇 | × | △ | 〇 | 〇 |
6号艇 | × | △ | △ | × |
例えば、1号艇「瓜生正義」選手は、枠番が有利なのでコースは「〇」、勝率が高いので選手は「〇」、モーター2連率が高いのでモーターは「〇」、平均STが他の選手に比べて遅いので展開は「△」にしてある。
上の表から、1着の第1候補は〇が3つもついている1号艇で、2着の候補は〇が2つ付いている2号艇、3号艇、5号艇のどれかと判断できる。
本当はもっと細かく予想することができるのだが、今回は説明のためにシンプルに書いてるぞ。
実際のレース結果は「1-5-3」で、三連単は14番人気の「37.9倍」だった。
出典:https://www.boatrace.jp/
読者さんのなかには「たまたま的中しただけだろ?」と思う方もいるかもしれないな。
しかし、この「たまたまの的中」をどれだけ高い確率で引き寄せられるかが、競艇で勝つためには重要なのだ。
そして、「選手」「モーター」「コース」「展開」のうち1~2つしか使わずに予想するよりも、4つの要素をバランスよく使って予想したほうが勝てる。
これが予想オヤジ流の競艇予想のコツだ。
選手やコースだけでなく、モーターや展開も重視するということだな。
さて、俺の予想方法の大まかな流れは伝えたので、ここからは「選手」「モーター」「コース」「展開」を評価する方法を詳しく説明していこう。
まずは、選手の強さを判断する方法からだ。
競艇予想で選手の強さを判断するには?
選手の強さを判断するには、
- 級別
- 勝率
- 2連率・3連率
- 今節成績
- 年齢
- 支部
- 体重
- コース別成績
の8つの項目が参考になる。
特に重要なのは「級別」「勝率」「今節成績」の3つなので、競艇初心者はまずはこの3つの見方を覚えていってくれ。
1.選手の級別の見方は?
選手の級別(きゅうべつ)は、選手の強さをざっくりと見たいときに便利だ。
強い選手から順番に、A1級、A2級、B1級、B2級となっており、A1級選手は競艇選手の中でも成績上位20%のトップレーサーとなっている。
例えば、下の出走表のように、一般戦でA1級選手が1号艇にしかいない場合は、高い確率で1着を獲ることができる。
出典:https://www.boatrace.jp/
基本的には、級別が高いほうが強い選手だと思っていいのだが、
- 級別だけでは選手の細かい実力差は判断できない
- 更新直前(6月、12月)の級別はあまり当てにならない
の2つのポイントには注意したい。
その理由を説明していこう。
級別だけでは選手の強さは判断できない
級別は、選手を成績が高い順番に並べて、定員数を満たすように決められる。
具体的な定率と2019年7月時点でのだいたいの人数を下の表にまとめてみた。
級別 | 定率 | 人数 |
---|---|---|
A1級 | 成績上位20% | 約320人 |
A2級 | A1級を除いた上位20% | 約320人 |
B1級 | A1級、A2級を除いた上位50% | 約800人 |
B2級 | 残りの10% | 約160人 |
A1級選手は約320人いるので、同じA1級の選手でも成績1位の選手と成績320位の選手では、大きく実力が違ってくる。
また、成績320位のA1級選手と成績321位のA2級選手では、大きな実力の差はないだろう。
このような理由から、級別だけでは選手の細かい実力差は判断できないことが分かる。
「A1級はA2級より強いに決まっている」という単純な判断で予想するのは危険なので、やめたほうがいいだろう。
あくまで、級別は選手の強さをざっくりと見たいときに使い、細かい実力差は勝率などを見ていくのがおすすめだ。
更新直前(6月、12月)の級別はあまり当てにならない
級別は、半年ごとに選手の成績に応じて更新される。
審査期間と実施期間を下の表にまとめたので、確認してみてほしい。
期 | 審査期間 | 実施期間 |
---|---|---|
前期 | 5月1日~10月31日 | 1月1日~6月30日 |
後期 | 11月1日~4月30日 | 7月1日~12月31日 |
上の表を見れば分かる通り、1月や7月の級別は、その直前までの成績を元に決まっているので信頼できる。
逆に、6月や12月の級別は、半年以上前の成績を元に決まっているのであまり当てにならないのだ。
例えば、2019年12月のレースの出走表に書かれている級別は、2018年11月1日~2019年4月30日の成績によって決められているぞ。
6月や12月の級別は、選手の「今の実力」を正確に表していないというわけだな。
しかし、このことを知らない競艇ファンは、6月や12月のレースでも「A1級選手が1号艇に入っているし、1着は1号艇で決まりだ!」と考えてしまう。
もしかしたら、その選手は次の月からA2級になるかもしれないのだ。
もしも、6月や12月のレースで、A1級選手に異常に人気が集まっている(その選手のオッズが異常に低い)レースを見つけたら、要チェックだぞ。
競艇予想のコツを知らない大勢が、来月からA2に落ちる落ち目のA1選手に賭けているときはチャンスだ。
このように皆が間違った賭け方をしていることに気づき、自分だけが今はA2だけど来月からA1級に上がる選手に賭けていけば、高オッズの万舟券を狙える。
2.選手の勝率の見方は?
選手の勝率は、選手の強さを見るのに最も便利な数値だ。
勝率はレースの着順点によって決められるので、基本的には数値が大きい選手ほど強い選手と思っていい。
出典:https://www.boatrace.jp/
ざっくり言えば、
- 勝率8.00以上 :超一流
- 勝率7.00~8.00:一流
- 勝率6.00~7.00:そこそこ強い
- 勝率5.00~6.00:中堅
- 勝率4.00~5.00:少し実力不足
- 勝率3.00~4.00:実力不足
- 勝率3.00以下 :ほとんど舟券に絡まない
といった印象だな。
勝率8.00以上の選手は、2019年後期では7人しかいなかった。
競艇選手が全部で約1,600人いることを考えると、超一流という言葉がふさわしい。
勝率を見るときのポイントは、
- 勝率が2.00以上違えば明らかな実力差
- 勝率には「全国」「現在」「当地」の3種類がある
- 基本的には現在勝率が最も重要
- 当地勝率は難水面の競艇場で重視
この4つだ。
それぞれについて、詳しく説明していくぞ。
勝率が2.00以上違えば明らかな実力差
勝率は、「出走したレースの着順点」を「出走したレース数」で割って計算される。
着順点とは、レース結果に応じて、選手に与えられる得点のことだ。
例えば、一般戦の予選の着順点は、下の表のようになっている。
着順 | 着順点 |
---|---|
1着 | 10点 |
2着 | 8点 |
3着 | 6点 |
4着 | 4点 |
5着 | 2点 |
6着 | 1点 |
着順が良くなればなるほど、着順点も高くなるわけだな。
例えば、5レース分の成績が「1着、1着、2着、4着、5着」の選手の勝率は、「(10点+10点+8点+4点+2点)/5レース=6.80」と計算される。
このような計算をして、勝率ごとに、どのくらいの着順を獲っているのかをまとめたのが下の表だ。
勝率 | 着順 |
---|---|
7.00 | 1着、1着、2着、2着、2着、3着、3着、3着、4着、4着 |
6.00 | 1着、1着、2着、2着、3着、3着、4着、4着、5着、5着 |
5.00 | 1着、2着、3着、3着、4着、4着、4着、4着、5着、5着 |
4.00 | 1着、2着、3着、4着、4着、5着、5着、5着、6着、6着 |
この表から、勝率7.00の選手と勝率6.00の選手では、そこまで大きな着順の差はないように感じる。
逆に、勝率7.00の選手と勝率5.00の選手では、1着、2着、3着の回数に大きな差があるな。
このように、勝率が2.00以上違えば明らかな実力差があるんだ。
実際には、着順点は「レースのグレードの高さ」や「予選か優勝戦か」などで変わってくるので、こんなに単純な話ではない。
あくまで感覚的な話として、「勝率が2.00以上違えば大きな実力差」と考えてくれ。
勝率には「全国」「現在」「当地」の3種類がある
勝率には「全国勝率」「現在勝率」「当地勝率」の3種類がある。
それぞれについて、簡単に説明すると、
- 全国勝率
→級別と同じ審査期間の全レースの成績で計算される。半年ごとに更新。 - 現在勝率
→全国勝率の審査期間終了後から直近までの全レースの成績で計算される。節ごとに更新。 - 当地勝率
→過去3年間の出走している競艇場の成績で計算される。節ごとに更新。
となっている。
この3つの勝率は、次のイラストのようなイメージだぞ。
このイラストをみてもわかるように、現在勝率は最新データなので予想の参考になり、当地勝率は当日と同じ競艇場の成績なので予想の参考になる。
ただ、全国勝率はこれらの中間のような位置付けなので、予想に役立てるのは難しいだろう。
具体的には、例えば、2019年7月10日の福岡競艇場の紙の出走表には、
- 全国勝率:2018年11月30日~2019年4月30日の全レースの成績
- 現在勝率:2019年5月1日~2019年7月7日の全レースの成績
- 当地勝率:過去3年間の成績の福岡競艇場での成績
をもとにした数値が書かれていた。
また、すこしややこしいのだが、競艇の公式サイトの出走表の「全国」の欄には、紙の出走表の「現在勝率」が書かれている。
出典:https://www.boatrace.jp/
競艇の公式サイトで、紙の出走表の「全国勝率」を見たい場合は、選手データの期別成績から見ることができるぞ。
出典:https://www.boatrace.jp/
このように競艇公式サイトでは、現在勝率が見やすく表示されている。 このことからも、現在勝率を主に使って予想するのがいいだろう。
基本的には現在勝率が最も重要
俺は、基本的には現在勝率が最も重要だと考えている。
なぜなら、現在勝率が、その選手の「今の実力」に一番近い数値だからだ。
全国勝率は審査期間が半年もあるし、当地勝率は審査期間が3年間になっているので、どうしても過去のデータ(その選手の昔の強さ)になってしまう。
その点、現在勝率なら、直近の節の成績まで数値に反映されるので、生きたデータ(その選手の今の強さ)になりやすいのだ。
現在勝率が同じくらいの選手が2人いたら、全国勝率を見るのがコツだぞ。
現在勝率が同じくらいの選手が2人いたときは、全国勝率が低い選手のほうが最近調子が良いと考えよう。
全国勝率の方が現在勝率よりも昔のデータになるので、全国勝率が低くて現在勝率が高い選手は、上り調子ということが分かるのだ。
当地勝率は難水面の競艇場で重視
全国24カ所の競艇場は、選手にとって走りやすい「静水面」の競艇場と、選手にとって走りにくい「難水面」の競艇場に分けることができる。
例えば、多摩川や蒲郡は静水面の競艇場として有名だし、江戸川や福岡は難水面の競艇場として有名だ。
難水面の競艇場では、その競艇場に慣れていない選手は本来の実力を発揮しにくい。
風や波の影響で、スタートやターンが乱れてしまうからだ。
福岡競艇場の独特のうねりは、ベテラン選手でも乗りこなすのは難しいらしいぞ。 引退した競艇選手から聞いた話だから、間違いない情報だ。
そこで、その競艇場に慣れているかどうかを判断できるのが、当地勝率というわけだ。
当地勝率が高い選手は、思わぬ活躍をして万舟券のチャンスを作ってくれることもある。
どの競艇場が静水面で、どの競艇場が難水面なのかは、下の一覧をチェックしてみてくれ。
多摩川、蒲郡、住之江、丸亀、芦屋
桐生、戸田、江戸川、平和島、児島、宮島、若松、福岡
3.2連率・3連率で着順傾向が分かる
選手の2連率・3連率は、選手の強さや着順傾向を見るのに便利な数値だ。
出典:https://www.boatrace.jp/
まず、それぞれの数値は、
- 2連率:その選手が2着以内に入った割合
- 3連率:その選手が3着以内に入った割合
を表している。
例えば、5レース分の成績が「1着、1着、2着、3着、5着」の選手の2連率は「3/5×100=60%」、3連率は「4/5×100=80%」と計算できる。
つまり、基本的には数値が大きい選手ほど強い選手ということだな。
ただ、2連率・3連率が高い選手は勝率も高いので、選手の強さを見るのなら勝率だけでも十分と言える。
では、2連率・3連率は何のためにあるのだろうか?
答えは「選手の着順傾向を見るときに使う」だ。
選手の着順傾向とは「その選手が何着を獲ることが多いのか」を表した言葉だ。
例として、同じ勝率になるときの着順のパターンをいくつかまとめてみた。
勝率 | 2連率 | 3連率 | 着順 |
---|---|---|---|
6.00 | 40% | 60% | 1着、1着、2着、2着、3着、3着、4着、4着、5着、5着 |
6.00 | 30% | 70% | 1着、2着、2着、3着、3着、3着、3着、4着、4着、5着 |
6.00 | 50% | 60% | 1着、1着、1着、2着、2着、3着、4着、5着、6着、6着 |
※着順点は一般戦の予選で計算
この表のように、勝率の数値が同じでも2連率や3連率が違うケースはよくある。 同じ勝率の選手同士をどうやって比較するのか、詳しく解説していく。
2連率と3連率に注目すると、
- 2連率と3連率の差が小さい選手
→1着、2着は多いが、4着以下も多い両極端な選手 - 2連率と3連率の差が大きい選手
→1着、2着は少ないが、3着に入るのがうまい安定型の選手
ということがわかる。
例えば、この2つのタイプの選手は、5コースや6コースなどの不利なコースに入ったときの戦略が大きく変わってくる。
両極端な選手は「無理して1着を狙う走り」をすると予想できるし、安定型の選手は「無理せず3着を獲る走り」をすると予想できるからだ。
つまり、舟券を買うときに「両極端な選手の3着」や「安定型の選手の1着、2着」は買わなくてもいいというわけだな。
無駄な舟券を買わないことで、的中時の回収率をあげて稼ぐことができるぞ。 参考にしてみてくれ。
4.今節成績の見方は?
今節成績は、選手ごとのその節の調子を判断するのに便利だ。
出典:https://www.boatrace.jp/
節の初日はデータがないので使うことはできないが、節の最終日には5日分のデータがあるのでぜひ活用したい。
簡単に言えば、3着以内にたくさん入っていれば調子が良いし、4着以下が多ければ調子が悪いということになる。
その上で、
- 今節1コースから1着を獲れていなければ信頼度を下げる
- 今節2連率が全国2連率よりも高ければ信頼度を上げる
の2つのポイントをチェックしてみるのがおすすめだ。
今節1コースから1着を獲れていなければ信頼度を下げる
今節成績を見たときに、1コースのときの成績が1着ではない選手は信頼度を下げよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
競艇では、1コースが圧倒的に有利だ。
それにもかかわらず、1コースから1着を獲れないのは、何らかの悪い原因があると考えられる。
単純に選手の実力不足かもしれないし、モーターの調子が悪いのかもしれない。
あるいは、その競艇場の水面と相性が悪いということも考えられる。
どの原因にしても、1コースのときに1着を獲れなかった時点で、他のコースのときに活躍するのは難しいということだな。
今節2連率が全国2連率よりも高ければ信頼度を上げる
今節成績の2連率を計算してみて、全国2連率よりも高い選手は信頼度を上げよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
先ほどの1コースから1着を獲れなかった選手とは逆に、何らかの良い原因があると考えられるからだ。
この場合の原因は、モーター抽選で当たりを引いたというものが多いように感じる。
4~6コースの艇なら、思わぬ高配当を生み出してくれるかもしれないので、舟券に絡めても面白いぞ。
5.年齢の見方は?
年齢は、若手選手とベテラン選手を区別するのに便利だ。
出典:https://www.boatrace.jp/
簡単に言えば、30歳以下は若手選手、45歳以上はベテラン選手といった感じだな。
また、競艇選手のピークは35歳と言われている。
人間の肉体的なピークである20~25歳に比べて、少し遅れてピークがやってくるのは、実戦経験が選手の実力に大きな影響を与えているということなのだろう。
さて、年齢を予想に活かすには、
- ベテラン選手はナイターレースで不利
- 若手選手はまくり主体
の2つがポイントとなる。
その理由を説明していこう。
ベテラン選手はナイターレースで不利
競艇のスタートでは、選手がスタートライン付近に設置されている大時計を見ながら、スタートタイミングを合わせている。
ベテラン選手がナイターレースで不利になるのは、この大時計が見にくくなるからだ。
人間の動体視力は50歳を超えたくらいから急激に低下すると言われている。
なので、辺りが暗いナイターレースでは、ベテラン選手は大時計の針がどこを指しているのか分かりにくいらしい。
「針の先が丸く見える」とコメントしているベテラン選手もいるくらいだ。
どんなに旋回技術があっても、スタートで遅れてしまっては不利な戦いになるのが競艇のレース。
ナイターレースの予想をするときは「この選手は50歳だから、少し不安かも?」という感覚が大切だ。
若手選手はまくり主体
2~6コースの選手の第1ターンマークの戦略は、大きく分けて「差し」「まくり」「まくり差し」の3種類がある。
差しは先行している艇の内側を小回りなターンで抜く戦略で、まくりは先行している艇の外側をスピードターンで抜く戦略だ。
そして、まくってから差すのが、まくり差しということになる。
これらの戦略のことを、競艇用語で「決まり手」というぞ。
選手歴の浅い若手選手は、まくりの戦略を取ることが多い。
差しやまくり差しは、先行している艇と第1ターンマークの間をすり抜ける精密な旋回技術が必要となるからだ。
その点、まくりは、レバーを握ったままスピードターンを決めるだけなので、勢いさえあれば決まることがある。
第1ターンマークの展開を予想するときに役立つので、覚えておいてほしい。
もちろん、若手選手の中にも、差しやまくり差しが得意な選手はいる。 選手ごとの得意な決まり手については、少しずつ覚えていくしかないな。
6.支部は難水面の競艇場で重視
支部は、選手がどこの競艇場のグループに所属しているかを表している。
出典:https://www.boatrace.jp/
選手は、必ずどこかの支部に所属し、レースがないときは所属している支部の競艇場でスタートやターンの練習をしている。
そのため、本番のレースでは、水面に慣れている地元選手(レースが開催されている競艇場の支部の選手)が有利になることが多い。
特に、難水面の競艇場には独特の水面特徴があるので、地元選手ならではの走りを見せてくれることがあるぞ。
難水面の競艇場の予想をするときは、当地勝率だけでなく、支部にも注意してみるといいだろう。
全国24カ所の競艇場を支部ごとにまとめた。 自分がよく行く競艇場がどこの支部なのか確認しておくのがおすすめだ。
支部 | 競艇場 |
---|---|
群馬 | 桐生 |
埼玉 | 戸田 |
東京 | 江戸川、平和島、多摩川 |
静岡 | 浜名湖 |
愛知 | 蒲郡、常滑 |
三重 | 津 |
福井 | 三国 |
滋賀 | びわこ |
大阪 | 住之江 |
兵庫 | 尼崎 |
徳島 | 鳴門 |
香川 | まるがめ |
岡山 | 児島 |
広島 | 宮島 |
山口 | 徳山、下関 |
福岡 | 若松、芦屋、福岡 |
佐賀 | からつ |
長崎 | 大村 |
7.体重の見方は?
競艇選手の体重は、基本的には軽いほうが有利だ。
出典:https://www.boatrace.jp/
これは、艇が加速しやすくなり、最高速も早くなるからだ。
一昔前は、レースに勝つために体重を落としすぎて、体調を崩してしまう選手もいたらしい。
そこで、現在では、男子は51.0kg、女子は47.0kgという最低体重が設定されている。
レース当日の体重測定で最低体重に満たない選手は、おもりをつけてレースをしなければならないぞ。
何kgのおもりを付けているのかは、直前情報の「調整体重」でチェックできる。
体重を見るときのポイントは、
- 体重差1~2kgは気にしなくても大丈夫
- 海水の競艇場では体重が重い選手も活躍しやすい
- 荒れた水面では体重が重い選手が少し有利
の3つだ。
詳しく説明していこう。
体重差1~2kgは気にしなくても大丈夫
競艇では、体重が10kg違うとスタートからゴールまでで3艇身の差がつくと言われている。
つまり、体重が5kg違えば、直線ごとに1/4艇身の差がつくということになる。
これは、予想するときには無視できない差だな。
しかし、逆に言えば、体重が1~2kg違ったところで、大した差はつかないという見方もできる。
競艇選手は最低体重+1~2kgで体重管理をしていることが多いので、予想するときには体重はあまり気にしなくてもいいわけだ。
最低体重+5kgである体重56kg以上の選手がいたときだけ注意するようにしよう。
※参考サイト:競艇選手の体重が1Kg増えると展示タイムは何秒落ちる?
海水の競艇場では体重が重い選手も活躍しやすい
鳴門や福岡などの一部の競艇場は、海水を利用してコースが作られている。
このような海水の競艇場では、浮力によって艇が浮くので、体重が重い選手でも活躍しやすい。
海水浴で体が浮くのと同じ感じだな。
海水の競艇場の一覧をまとめたので、チェックしてみてくれ。
平和島、常滑、鳴門、丸亀、児島、宮島、徳山、下関、若松、大村
荒れた水面では体重が重い選手が少し有利
先ほど、基本的には体重は軽いほうが有利だと言ったが、例外的に体重が重いほうが有利になることもある。
それは、風や波で水面が荒れているレースのときだ。
体重が重い選手は、風や波に流されにくく、荒れた水面でも安定したターンをすることができるからだ。
風速5m以上や波高5cm以上のレースでは、風や波があるため、体重重めの選手も有利に戦える展開が増えるぞ。
8.選手ごとのコース別成績の見方は?
選手ごとのコース別成績は、「その選手が実際に走るコースで活躍できるのか」を予想するのに便利だ。
例えば、下の出走表の2号艇「毒島誠」選手の3連率を見てみてほしい。
出典:https://www.boatrace.jp/
3連率「73.77」なので、枠番も悪くない2号艇なら、そこそこ活躍してくれそうに思える。
しかし、「毒島誠」選手の選手データのコース別成績を見てみると、2コースからの3連率は「42.1%」とかなり低い。
出典:https://www.boatrace.jp/
全コース平均の3連率と比べると「31.67」も数値の差があるので、「毒島誠」選手は2コースからは活躍しにくいことが分かるな。
毒島は強いA1選手だが、2コースからの成績だけは期待できないということだ。
このように、その選手が実際に走るコースの成績を見ることで、予想の精度を上げることができる。
さらに具体的な見方として、
- 紙の出走表のコース別成績は斜めに見る
- 競艇の公式サイトの選手データを1人1人確認する
- コース別の1着率・2着率・3着率から着順傾向が分かる
の3つのポイントを説明していこう。
紙の出走表のコース別成績は斜めに見る
競艇場で手に入れることができる紙の出走表には、全国コース別成績というデータが載っている。
このデータを斜めに見ることで、選手のコース別成績を見ることができるぞ。
例えば、下の写真は、2019年7月10日福岡競艇場第5レースの出走表だ。
全国2連率を青い四角、コース別成績を赤い四角で囲ってある。
コース別成績の上の数値は進入回数、下の数値は1・2着数を表しているので、選手ごとに実際に走るコースの2連率が計算できる。
試しに、このレースで計算してみた。
枠番 | 全コースの 2連率 | 実際に走る コースの2連率 | 進入回数 | 1・2着数 |
---|---|---|---|---|
1号艇 | 8 | 40 | 10 | 4 |
2号艇 | 38 | 53 | 15 | 8 |
3号艇 | 26 | 14 | 14 | 2 |
4号艇 | 38 | 27 | 11 | 3 |
5号艇 | 22 | 4 | 24 | 1 |
6号艇 | 26 | 0 | 7 | 0 |
全コースの2連率だけを見ると、2号艇と4号艇の数値が高く、1号艇の数値が低いことが分かる。
しかし、何も考えずに「2号艇、4号艇を1着、2着の軸にして予想しよう」と思ってしまうのは危険だ。
なぜなら、実際に走るコースの2連率を見ると、2号艇と1号艇が高くなっているからだ。
1号艇の選手は、2~6コースでは2着以内に入れないが、1コースからなら2着以内に入れる選手ということだな。
2号艇の選手も2コースからの成績がいいから、1号艇と2号艇には期待ができるレースだ。
実際に、このレースの結果は「2-1-4」だったぞ。
出典:https://www.boatrace.jp/
全コースの2連率だけでなく、実際に走るコースの2連率まで考えていた方は、的中できたレースだったな。
レースとレースの間には約30分しか時間がないので、実際に走るコースの2連率まで考えるのは大変だ。
だが、金を賭けて勝負をするからには、上で説明した「斜め読み」のテクを使って、実際に走るコースでの選手成績を検討することがおすすめだ。
競艇の公式サイトの選手データを1人1人確認する
選手の実際に走るコースの成績は、紙の出走表だけではなく、競艇の公式サイトでもチェックすることができる。
まず、出走表の選手名を押して、選手データに移動しよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
選手データに移動したら、「コース別成績」タブの「コース別3連率」を見るのだ。
出典:https://www.boatrace.jp/
紙の出走表と違って、進入回数や1・2着回数の具体的な数値は分からないが、棒グラフでわかりやすくコース別成績がまとめられているぞ。
レースに出走する選手を比べたいときは、この棒グラフの実際に出走するコースの部分を比べればいいのだ。
コース別の1着率・2着率・3着率から着順傾向が分かる
選手データのコース別成績を見ることで、その選手のコース別の着順傾向を見ることができるぞ。
例えば、「毒島誠」選手のコース別成績をもう一度見てみよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
棒グラフは、濃い青が1着率、普通の青が2着率、薄い青が3着率を表している。
コース別の色分けを見てみると、「毒島誠」選手には、
- 1コースからは1着が特に多く、2着になることも多い
- 2コースからは1着、2着が多く、3着は一度もない
- 3コースからは1着、2着、3着を同じくらいの割合で獲る
- 4コースからは1着は少なく、2着、3着が多い
- 5コースからは2着が多い
- 6コースからは2着、3着は獲れるが、1着を獲ったことがない
という特徴があることが分かる。
出走表を見たときに、コース別成績を見ておけば「今日の毒島は6号艇で、前づけもできなさそうだから、良くて2着だな」といった予想ができるようになるのだ。
予想に慣れている方向けのテクニックとなるが、これも大切だぞ。
「強い選手だから1着か2着に来るだろう」というような甘い読みでは勝てない。
「この選手は不利な6コースからでも2着3着に絡んでくる強さがあるが、6コースからの1着はまずない」という深い予想をできるようになると、競艇勝ち組になれるぞ。
このように、コース別成績まで見れば、予想精度がグンと上がるぞ!
長くなったが、選手の強さについては、ここまで説明した見方を覚えればOKだ。
簡単におさらいをすると、「現在勝率」と「今節成績」から選手の「今の実力」を判断することが重要という話だったな。
予想に慣れている方は、「2連率・3連率」を使って着順傾向を予想したり、「コース別成績」で実際に走るコースでの選手の実力を見ることで、さらに的中率が上がるはずだ。
次は、選手が操縦する艇の「モーター」の見方について説明していく。
だが、この記事は、俺が魂をこめながら1ヶ月かけて書いた長文だ。
これまでの内容でもきっと初めて知ったテクが多いだろうし、そろそろ疲れてきた方もいるだろう。
まずはここまでの内容をしっかり理解して、続きは明日から読むのもおすすめだぞ!
競艇予想でモーターの気配を判断するには?
競艇では、モーターの強さのことを「モーターの気配」と呼ぶ。
強そうなモーターのことを「気配が良いモーター」、弱そうなモーターのことを「気配が悪いモーター」と呼ぶわけだな。
「どうして、こんな分かりにくい呼び方をするのだろう?」と疑問に思うことだろう。
その理由は、モーターの強さが、スペック表や数値では表すことができず、自分の目で見た雰囲気でしか判断することができないからだ。
具体的には、本番のレース前の展示航走を見ながら、「なんとなく伸びている気がする」「綺麗にターンできているように見える」といった情報で、モーターの強さを判断するのだ。
「気配」という言葉が、ピッタリなわけだな。
このように話すと、競艇初心者には少し難しいように感じるかもしれない。
しかし、だからこそ、俺はモーターの気配を判断する方法について競艇初心者にも分かりやすいように伝えたいと思う。
ぜひ最後まで読んで、しっかりとマスターしてみてくれ。
モーター2連率の見方は?
モーター2連率は、モーターの強さを最も分かりやすく表した数値だ。
出典:https://www.boatrace.jp/
「(そのモーターが1・2着を獲った回数/そのモーターの出走回数)×100」で計算されているので、数値が高いほうが強いモーターということになる。
「モーターの強さは数値では表せないんじゃなかったの?」というツッコミをされそうだな。
実際はその通りで、モーター2連率は100%信用していい数値ではない。
例えば、数値が高いモーターでも、直前のレースで水没して調子が悪くなっていることがある。
逆に、数値が低いモーターでも、節の間にベテランレーサーが調整することで一級品になっていることもある。
あくまで、モーター2連率は「モーターの強さの目安」であることを覚えておいてほしい。
その上で、競艇初心者にとっては、最も簡単にモーターの気配が分かる数値でもある。
展示航走の見方に慣れないうちは、まずはモーター2連率でモーターの気配を判断していこう。
モーター2連率が40%以上なら優良モーター
多くの競艇場は、所持しているモーターの2連率を競艇場ごとの公式サイトで公開している。
例えば、2019年8月1日時点での津競艇場のモーター2連率ごとの数を見てみると、
- 40%以上:10機
- 30%~40%:23機
- 30%以下:13機
となっていた(合計46機)。
今回は津競艇場を例に出したが、他の競艇場でも似たような分布になっていることが多い。
そのため、モーター2連率が40%以上なら、成績上位20%に入っていると判断できるわけだ。
成績上位20%というのは、級別で言えばA1級と同じくらいの強さということになる。
大まかに言えば、モーター2連率が40%以上なら優良モーター(A1級のモーター)ということだ。
モーター交換から1~2ヵ月は2連率は当てにならない
競艇場が所持しているモーターは、1年に一度、決まったタイミングで一斉に新品に交換される。
そして、モーターが交換された直後は、モーター2連率の数値が不安定になりやすい。
出走数が少ないので、モーターの性能よりも、乗った選手の実力によってモーター2連率が決まってしまうからだ。
例えば、A1級選手が連続で乗ったモーターは、B2級選手が連続で乗ったモーターよりも、モーター2連率が高くなるだろう。
モータ交換直後だと、モーター2連率の数値は信用できないぞ。
出走数が増えて、色々な選手が乗ったときのデータが揃うのに、少なくとも2ヵ月はかかる。
なので、モーター交換から1~2ヵ月は、モーター2連率ではなく、展示航走を重視して予想するのがおすすめだ。
モーター2連率の集計期間は出走表の欄外に書いてあるので、必ずチェックするようにしよう。
また、競艇場ごとのモーター交換の時期を下の表にまとめた。
出走表が手元にない方は、これを見ても確認できるぞ。
競艇場 | モーターの交換時期 |
---|---|
桐生 | 12月 |
戸田 | 7月 |
江戸川 | 4月 |
平和島 | 6月 |
多摩川 | 8月 |
浜名湖 | 4月 |
蒲郡 | 5月 |
常滑 | 12月 |
津 | 9月 |
三国 | 4月 |
びわこ | 6月 |
住之江 | 3月 |
尼崎 | 4月 |
鳴門 | 4月 |
丸亀 | 11月 |
児島 | 1月 |
宮島 | 9月 |
徳山 | 4月 |
下関 | 2月 |
若松 | 12月 |
芦屋 | 5月 |
福岡 | 6月 |
唐津 | 8月 |
大村 | 3月 |
モーター性能は出足・行き足・回り足・伸び足で決まる
競艇では、モーター性能を表すときに「足」という言葉を使う。
水面を走る選手にとっては、モーターはまさに自分の「足」と言ってもいいんだろうな。
足には「出足」「行き足」「回り足」「伸び足」の4種類がある。
それぞれの意味と、車に例えるとどうなるのかを下の表にまとめてみたぞ。
足 | 意味 | 車に例えると? |
---|---|---|
出足 | エンジンがかかってからの初速 | ファーストギア |
行き足 | 初速から最高速に達するまでの中間速 | セカンドギア |
回り足 | ターンを綺麗に回れるかどうか | タイヤの刻み |
伸び足 | 加速しきった後の最高速 | トップギア |
モーターの理想は4つの足が全て良いことだが、実際にはそんな最強モーターは競艇場ごとに1~2機くらいしかない。
特に、出足と伸び足は反対の性能なので、「出足は良いけど伸び足は悪い」「出足は悪いけど伸び足は良い」といったことになりやすい。
節の間、選手は自分のモーターのプロペラを叩いたり、部品を交換したりして、自分に合ったモーターになるように日々調整しているぞ。
モーター調整が上手い選手は、節の初日には調子が悪くても、2日目、3日目と成果を上げてくるぞ。
1~3コースは出足・行き足が重要
1~3コースは、スタート前の助走距離が短いことから、スロー勢と呼ばれている。
基本的に、競艇は内側のコースが有利なので、スロー勢(特に1コース)はスタートが遅れなければ高い確率で勝つことができる。
また、第1ターンマークに他の艇よりも早く到達するためには、スタート後の加速力が必要だ。
そのため、スタートタイミングに関わってくる「出足」と、早く最高速に達するための「行き足」が重要になる。
スロー勢のモーターの出足・行き足が良いときは、1〜3着に絡みやすいぞ。
4~6コースは行き足・伸び足が重要
4~6コースは、スタート前の助走距離が長いことから、ダッシュ勢と呼ばれている。
ダッシュ勢が勝つためには、基本的には「まくり」か「まくり差し」を決める必要がある。
先行している艇を外側から抜かなければいけないので、他の艇よりもスピードを出さなければならない。
そのため、早く最高速に達するための「行き足」と、最高速になったときに速く走るための「伸び足」が重要になる。
ダッシュ勢のモーターの行き足・伸び足が良さそうなときは、1〜3着に絡みやすいぞ。
どのコースでも回り足は重要
回り足は、1~6コースのどのコースでも重要だ。
「差す」にしても「まくる」にしても、ターンで勝負が決まるからだ。
また、回り足が悪いと、ターンで艇が転覆してしまう可能性がある。
選手が少しでも危険だと感じたら、思い切ったレースをすることはできないだろう。
ちなみに、俺が予想するときは、どのコースでも回り足を最も重要視しているぞ。
モーターの出足・行き足・回り足・伸び足を見極めるには?
モーターの足を見極めるには、展示航走を見るのが一番だ。
展示航走とは、本番のレース前に、レースに出走する選手がスタートの練習やモーターの試運転をすることだ。
例えば、第12レースの展示航走は、第11レースの終了直後の行われるぞ。
イメージとしては、競馬のパドックに近いな。
展示航走の中身を詳しく説明すると、
- スタート展示
- 周回展示
- 展示タイムの発表
の順番で行われる。
この3つの手順の中で、出足、行き足、回り足は目で見た印象で判断し、伸び足は数値で確認することができる。
足ごとの見極め方を順番に見ていこう。
スタート展示(スリット前)で出足を見極める
出足は、スタート展示のスリット前(スタートライン前)で見極めよう。
具体的には、スリット前の6艇全ての艇の先を見比べて、スッと前に出てくる艇が出足の良いモーターと判断できる。
逆に、取り残される感じの艇は出足が悪い可能性が高い。
出典:JLC
例えば、上の写真では、3号艇の出足が良く、1号艇の出足が悪そうだ。
ただ、スタートタイミングについては、選手の実力による部分もあるし、選手によっては軽い準備運動のような感覚でやっている人もいるからアテにしづらいケースもある。
スタートタイムだけじゃなく、「実際にどのくらい加速しているか」も見ることが大切だ。
スタート展示(スリット後)で行き足を見極める
行き足は、スタート展示のスリット後(スタートライン後)で見極めよう。
具体的には、スリット後の6艇全ての艇のお尻を見比べて、前の艇に追いついたり、前に出ることができている艇は行き足が良いモーターと判断できる。
逆に、前の艇から引き離されたり、後ろに下がってしまう艇は行き足が悪い可能性が高い。
出典:JLC
例えば、上の写真では、4号艇の行き足が良く、1号艇の行き足が悪そうだ。
スリット前の写真と比べると分かりやすいと思うぞ。
周回展示で回り足を見極める
回り足は、周回展示で見極めよう。
具体的には、ターンで暴れていない艇や、ターンがコースの内側に流れていく艇は回り足が良いモーターと判断できる。
逆に、ターンで暴れる艇や、ターンがコースの外側に流れていく艇はという艇は回り足が悪い可能性が高い。
まず、艇がターンで暴れていないかどうかは、下の写真を見てほしい。
出典:JLC
2号艇(上の写真)は艇が水面に吸い付くように静かなターンできているが、3号艇(下の写真)は艇が水面から離れて跳ねてしまっていることが分かる。
この場合、2号艇は回り足が良さそう、3号艇は回り足が悪そうだと判断できる。
次に、コースの内側と外側のどちらに艇が流れていくのかを見てみよう。
出典:JLC
2号艇(上の写真)はコースの内側に寄った小回りなターンができているが、3号艇(下の写真)はコースの外側に流れていく大回りなターンになってしまっていることが分かる。
この場合、2号艇は回り足が良さそう、3号艇は回り足が悪そうだと判断できる。
6艇の動きを見比べながら、回り足が良さそうなモーターと悪そうなモーターを見極めていこう。
展示タイムで伸び足を見極める
伸び足は、展示タイムで見極めよう。
展示タイムは、周回展示の2周目のバックストレッチのスタートライン延長線から第2ターンマークまでの150mで計測され、だいたい「6.50~6.70」くらいのタイムになることが多い。
「何秒なら伸び足が良い、何秒なら伸び足が悪い」という見方ではなく、6艇の中で早い艇と遅い艇を見つけることがポイントだ。
例えば、下の直前情報では、1号艇の伸び足が良さそうで、6号艇の伸び足が悪そうだと判断できる。
出典:https://www.boatrace.jp/
展示タイムに0.08秒の差があると、1回の直線で半艇身の差ができると言われている。
スタートからゴールまでには直線が5回あるので、レース全体では2.5艇身の差ができることになるな。
これは大きな差なので、展示タイムを見るときの基準にしてみてくれ。
俺が予想するときは、周回展示を重視することが多いな。
選手コメントでモーター気配を判断するには?
モーターの気配は、展示航走だけでなく、ピットレポートの選手コメントからも判断することができる。
出典:https://www.boatrace.jp/
選手コメントは、選手が「モーターをどのように調整したか」を知る貴重な情報なので、必ずチェックしたい。
ただし、選手コメントは一部のレースでしか公開されていないという欠点もある。
自分が予想するレースの選手コメントが見られるかどうかは、競艇の公式サイトで確認してみてくれ。
例えば、G2ボートレース甲子園の5日目は、第10レース~第12レースで選手コメントを見ることができたぞ。
出典:https://www.boatrace.jp/
ここからは、選手コメントの見方を解説していく。 足ごとの良し悪しを判断するのにも役立つから、参考にしてみてくれ。
出足が良いときの選手コメント
出足が良いときの選手コメントは、
- 出足が良い
- 起こしが良い
- 一瞬の足がある
といったものがある。
起こしとは、スロットルレバーを握ってからの反応の良し悪しを表した言葉だ。
厳密に言えば出足とは少し違うのだが、初速がいいときに使う表現なので、同じだと考えていいだろう。
起こしが悪いと、選手の思った通りにモーターが起動してくれないので、スタート遅れの原因になる。
特に、1コースは助走距離が短いので、起こしの良し悪しが大切になってくるぞ。
行き足が良いときの選手コメント
行き足が良いときの選手コメントは、
- 行き足が良い
- スリット付近が良い
- スタートを放ってもついてくる
- 回ったあとが良い
といったものがある。
レースで使われている艇は、スロットルレバーを「握る」と加速し、スロットルレバーを「離す」と減速する。
そして、このスロットルレバーを「離す」ことを、「レバーを放(ほう)る」と言ったりする。
基本的には、艇は徐々に加速させたほうがスピードが出やすく、一度減速させた艇は再加速させるのが難しいとされている。
ただし、「スタートを放ってもついてくる」と選手が言っているモーターは、少しくらい減速しても再加速しやすくスタートで有利になるぞ。
同じコメントを見ても、「よく分からない」と感じるか「行き足が良いいんだな」と判断できるかで、的中率は大きく変わるぞ。
回り足が良いときの選手コメント
回り足が良いときの選手コメントは、
- 回り足が良い
- 乗り心地が良い
- 乗りやすい
- 行きたいところに行ける
- 艇の向きが良い
- 初動のかかりが良い
- サイドのかかりが良い
- ターンで返ってくる
- グリップ感が良い
といったものがある。
かかりとは、モーターが水面を掴む能力のようなものだ。
かかりが良いとクイっと小回りなターンをすることができ、かかりが悪いと艇が流れて大回りなターンになってしまう。
「ターンで返ってくる」や「グリップ感が良い」も同じような意味だな。
また、「乗り心地が良い」「乗りやすい」「行きたいところに行ける」といったコメントは、選手が自信を持ってターンできることにつながる。
回り足は特に重要で、勝負の決め手になるぞ。 5~6コースの艇でも周り足がよければ着に絡んでくるので、周り足のコメントは要チェックだ。
伸び足が良いときの選手コメント
伸び足が良いときの選手コメントは、
- 伸び足が良い
- 直線が良い
といったものがある。
特に難しい言葉はないので、伸び足については補足説明もしなくていいだろう。
モーター全体が良いときの選手コメント
モーター全体が良いときの選手コメントは、
- 舟足が良い
- レース足が良い
- 実践足がある
といったものがある。
出足、行き足、回り足、伸び足のバランスがとれていて、全体的に気配が良いときはこのようなコメントになる。
モーターにかなり自信を持っているということなので、活躍が期待できるぞ。
俺が予想するときには、回り足とモーター全体の選手コメントを重視することが多いな。
部品交換をしているときは要注意
出典:https://www.boatrace.jp/
選手がモーターの部品交換をしたときは、直前情報として公開される。
部品交換をした艇については、部品交換をする前と性能を比べてみることが重要だ。
例えば、展示タイムが良くなっているなら、部品交換は成功したと考えることができる。
この場合は、その艇についてはモーター評価を上げて予想したほうがいいだろう。
部品交換は、競艇の公式サイトや現地のモニターで確認できるぞ!
逆に、展示タイムが悪くなっているなら、部品交換は失敗したと考えることができる。
この場合、悪いモーターがさらに悪くなっているので、本番のレースでも活躍が期待できないな。
結局のところ、部品交換の影響で良くなるか悪くなるかはわからない。
「部品交換しているから悪い」というのは間違いなので、予想するときは注意してみてくれ。
部品交換をしている艇は、モーターの良し悪しを他の艇より慎重に判断しよう!
チルトを下げると出足型、チルトを上げると伸び足型
チルトとは、ボートにモーターを取り付ける角度のことだ。
「-0.5度、0度、0.5度、1.0度、1.5度、2.0度、2.5度、3.0度」の8段階があり、競艇場ごとに選べる角度が決まっている。
チルトを下げると艇が下を向く(水面と触れる面積が大きくなる)ため、「出足」や「回り足」が良くなる。
逆に、チルトを上げると艇が上を向く(水面と触れる面積が小さくなる)ため、「伸び足」が良くなる。
チルトを下げると出足型、チルトを上げると伸び足型になるというわけだな。
選手は、レース前に自分の戦略に合わせて、チルトを変更することができる。
ただ、現代の競艇では回り足が重視されているので、チルト「-0.5度」が選ばれることが多いな。
例えば、下の出走表でも、6名の選手のうち、4名はチルト「-0.5度」となっている。
出典:https://www.boatrace.jp/
逆に、4号艇「茅原悠紀」選手と5号艇「今垣光太郎」選手は、チルトを上げていることが分かるな。
少し前に説明したが、4~6コースの艇が勝つためには、伸び足が重要となってくる。
そのため、チルトを上げて伸び足型のモーターに調整しているのだ。
チルトを上げた4~6号艇が上手くスタートを決めたときは、スピードにまかせて内側の艇を全て抜いてしまうこともある。
4~6号艇がチルトを上げているときは、高額配当のチャンスかもしれないぞ。
気温とモーターの関係は?
モーターの出足は、気温が低いと良くなり、気温が高いと悪くなる。
これは、モーターの体積効率が変わってくることが原因だが、難しい話になるのでここでは省略する。
結論だけ言うと、冬は1~3コースが有利、夏は4~6コースが有利ということだな。
例えば、福岡競艇場の1コースの1着率は、冬季は「55.2%」で、夏季は「52.2%」となっている。
多くの競艇場では「3.0%」くらいの差だが、平和島や多摩川では「6.0%」以上の差があるので、詳しくは競艇場ごとの特徴を調べてみてほしい。
季節ごとのコース別入着率は、競艇の公式サイトでチェックできるぞ。
また、ナイターレースでは、日が出ている時間帯のレースよりも、日が沈んだあとの時間帯のレースのほうが、1コースの1着率が高くなる。
例えば、桐生競艇場の1コースの1着率は、全レースでは「52.2%」だが、18時以降のレースでは「61.6%」となっている。
夏と冬の差よりも、大きな差が出るので、予想するときは役に立ててみてほしい。
ナイターレースだと、1コースの1着率が昼よりもさらに上がるぞ!
ボート2連率・3連率は基本的には気にしなくてOK
出典:https://www.boatrace.jp/
レースの予想をするときに、ボート2連率・3連率はあまり気にしなくても大丈夫だ。
なぜなら、モーターに比べて、ボートはレース結果への影響が少ないからだ。
ほとんど見かけないが、ボート2連率が20%以下があったときだけ、注意するようにしよう。
ボート2連率・3連率は慣習的に表示されているだけで、実際は見なくてもOKだ
以上で、モーターの気配の見方の説明は終了だ。
簡単におさらいをすると、「モーター2連率」でだいたいのモーター性能を判断して、「展示航走」で足ごとの良し悪しをチェックすることがポイントだったな。
特に「周回展示」で回り足をチェックすると、的中率が上がるぞ。
次は、コースごとの有利・不利について説明していこう。
競艇予想でコースごとの有利・不利は?
競艇は、内側のコースが有利で、外側のコースが不利な競技だ。
競艇はコースを周回する競技だから、内側のコースのほうが短距離で早く走れるのは当然だな。
全国平均のコース別成績をまとめたので、見てみてほしい。
コース | 1着率 | 2連率 | 3連率 |
---|---|---|---|
1コース | 54.1% | 71.6% | 80.9% |
2コース | 14.8% | 39.9% | 58.2% |
3コース | 12.4% | 33.1% | 53.3% |
4コース | 11.0% | 29.2% | 49.7% |
5コース | 5.8% | 18.4% | 36.8% |
6コース | 1.9% | 8.2% | 22.0% |
※集計期間:2018年6月1日~2019年5月31日
このように、競艇では、「1着率」「2連率(1着か2着のどちらかになる確率)」「3連率(1着〜3着のどれかになる確率)」という表現が使われることが多い。
だが、「2連率」や「3連率」という数値は、あいまい過ぎて予想には役立たない。
例えば、3連率80%ということが同じでも「1着率50%-2着率20%-3着率10%」なら強いし三連単の軸として舟券を買える。
しかし、「1着率10%-2着率20%-3着率50%」なら弱いし3着予想でしか買えないだろう。
2連率や3連率という数字は、そのままだと予想の役に立たない。 1着率、2着率、3着率という正確な数字を使って予想しよう!
実は、1着率、2連率、3連率が分かるなら、そこから計算して1着率、2着率、3着率を知ることができるぞ。
役立たない数値を使えば、予想に使える役立つ数値になるわけだ。
具体的には、
- 1着率
- 2着率=2連率-1着率
- 3着率=3連率-2連率
という計算をすればOKだ。
この数式を使って、上に載せた全国平均のコース別成績も、「1着率」「2着率」「3着率」に書き換えてみたぞ。
コース | 1着率 | 2着率 | 3着率 |
---|---|---|---|
1コース | 54.1% | 17.5% | 9.3% |
2コース | 14.8% | 25.1% | 18.3% |
3コース | 12.4% | 20.7% | 20.2% |
4コース | 11.0% | 18.2% | 20.5% |
5コース | 5.8% | 12.6% | 18.4% |
6コース | 1.9% | 6.3% | 13.8% |
※集計期間:2018年6月1日~2019年5月31日
この結果を整理すると、次のようなことが分かるぞ!
- 1コースからの1着率が圧倒的に高い
- 2コース〜4コースの1着率は同じくらい
- 5コースや6コースからの1着はほぼない
- 1着予想は1コースが本命で、状況によって2コース〜4コースも検討する
- 2コースと3コースの2着率が高い
- 1コース、4コース、5コースから2着になることもある
- 6コースからは、1着だけじゃなく、2着もほぼない
- 2コース、3コース、4コース、5コースは同じくらい
- 6コースも3着なら結構入れる
- 1コースからの3着はほぼない
こうやって正しく情報を整理すると、初耳の情報も多かったんじゃないだろうか。
確率的にいえば6コースは良くて3着が限界だから、6コースに強い選手がいるとしても、1着や2着で予想した舟券は買わないほうが無難だ。
また、「1コースの3着率は全コースの中で一番低い(1コースの3着予想はしなくていい)」ということもあまり知られていない。
競艇ではインが圧倒的に有利だから、普通のスタートをきれば1コースからは1着か2着になるし、逆にスタートが下手過ぎると1コースでも着外になる。
このように、1コースを予想に組み込むなら1着か2着で考える(基本的に3着では考えない)というのも大切な予想テクニックだ。
「このコースは強い・弱い」とあいまいに考えるのではなく、「このコースはこの着順になりやすい」と深く予想することが大切だ。 ここからは、競艇場ごとの戦略についても説明していくぞ。
競艇場ごとにコース別の1着率を解説!
出典:https://www.boatrace.jp/
全国24カ所の競艇場は、水質、風、波、コースの作りなどによって、コースごとの有利・不利が変わってくる。
早速、競艇場ごとのコース別1着率を見ていこう。
全国の競艇場を比較して、特に1着が出やすいコースを赤字で、1着が出づらいコースを青字にしているぞ。
競艇場 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|
桐生 | 51.0 | 14.7 | 12.6 | 12.0 | 7.7 | 2.0 |
戸田 | 43.4 | 15.9 | 14.8 | 16.4 | 8.0 | 1.6 |
江戸川 | 45.7 | 17.8 | 15.2 | 11.1 | 6.6 | 4.1 |
平和島 | 43.9 | 16.6 | 14.0 | 14.5 | 8.2 | 2.9 |
多摩川 | 51.5 | 15.0 | 12.8 | 12.8 | 5.9 | 2.0 |
浜名湖 | 51.0 | 14.8 | 12.9 | 12.2 | 7.1 | 2.0 |
蒲郡 | 56.8 | 13.0 | 11.9 | 10.7 | 6.0 | 1.8 |
常滑 | 56.0 | 12.6 | 11.1 | 11.1 | 6.8 | 2.5 |
津 | 57.8 | 15.0 | 11.1 | 9.5 | 4.7 | 1.7 |
三国 | 53.3 | 17.5 | 12.9 | 10.1 | 4.4 | 2.0 |
びわこ | 48.9 | 16.9 | 14.2 | 11.9 | 6.1 | 2.1 |
住之江 | 56.7 | 15.6 | 11.9 | 9.7 | 4.6 | 1.5 |
尼崎 | 56.0 | 14.7 | 11.9 | 10.5 | 5.6 | 1.4 |
鳴門 | 48.8 | 16.1 | 14.9 | 11.8 | 5.7 | 2.7 |
丸亀 | 52.0 | 14.9 | 12.6 | 11.8 | 6.8 | 2.0 |
児島 | 56.8 | 14.0 | 10.5 | 10.9 | 6.1 | 1.7 |
宮島 | 55.9 | 12.8 | 12.6 | 10.5 | 6.2 | 2.0 |
徳山 | 63.6 | 14.0 | 8.9 | 8.0 | 4.3 | 1.1 |
下関 | 57.7 | 12.5 | 11.3 | 10.8 | 5.4 | 2.3 |
若松 | 55.5 | 15.2 | 12.2 | 10.1 | 5.2 | 1.9 |
芦屋 | 60.5 | 11.9 | 10.2 | 10.8 | 5.2 | 1.5 |
福岡 | 52.8 | 16.0 | 15.1 | 10.3 | 4.6 | 1.2 |
唐津 | 54.9 | 15.4 | 11.8 | 11.2 | 5.2 | 1.6 |
大村 | 68.7 | 12.3 | 9.1 | 5.8 | 3.2 | 0.9 |
※集計期間:2018年6月1日~2019年5月31日
※1~6は1コース~6コースの意味
上の表は、一番上の「コース」の部分を押すことで「数値の低い順番」→「数値の高い順番」に自動で並べ替えることができる。
例えば、1コースの1着率が高い順番に並べ替えたいときは、「1コース」の部分を2回押してみてくれ。
普段よく行く競艇場について、上の表でコース別の1着率を見てみてくれ。 赤い数字になってたらそのコースからの1着率が全国的に高く、青い数字になっていたらそのコースからの1着率が特に低いという意味だぞ。
1コースの1着率が最も高いのは大村競艇場
全国24カ所の競艇場の中で、1コースの1着率が最も高いのは「大村競艇場」だ。
1コースの1着率は「68.7%」となっており、全国平均の「54.1%」と比べると「14.6%」も高い。
原因としては、
- 風向きが変化しやすく、4~6コースのスタートが難しい
- 一般戦でA1級選手が1号艇の番組が多い
の2つが挙げれらる。
「2」のような、意図的に1号艇が勝つように仕組まれたレースを「企画レース」という。
出典:https://www.boatrace.jp/
企画レースはズルやイカサマというわけではなく、予想をしやすいレースを作ることで、たくさんの人に競艇を楽しんでもらえるようにする工夫だ。
大村競艇場の1コースの1着率は確かに高いが、企画レースの影響があることを考えると、実際の1コースの1着率は60%前半くらいかもしれないな。
大村競艇場のほかに、徳山競艇場や芦屋競艇場も1コースの1着率が高いことで有名だ。 競艇場の特徴を少しずつ覚えていくことが、勝ち組への一歩だぞ。
1コースの1着率が最も低いのは戸田競艇場
出典:戸田競艇場の公式サイト
全国24カ所の競艇場の中で、1コースの1着率が最も低いのは「戸田競艇場」だ。
1コースの1着率は「43.4%」となっており、全国平均の「54.1%」と比べると「10.7%」も低い
原因としては、
- 水面が狭く混戦になること
- 特にスタンド~第1ターンマークが狭いこと
の2つが挙げられる。
「2」のスタンド~第1ターンマークが狭いというのは、下のイラストのようなコース作りのことだ。
このようなコースでは、1~3コースの艇がスタートラインから斜めに進まなければならないので、4コースの艇のまくりが決まりやすい。
実際に、4コースの1着率は「16.4%」となっており、全国平均の「11.0%」と比べると「5.4%」も高い。
戸田競艇場は4コースや5コースからでも1着のチャンスがあるので、予想が難しい競艇場と言えるだろう。
このような難しい競艇場でも予想が的中するようになると、大きめのオッズを狙いやすくなるぞ。
コース別の1着率は風の影響を受ける
競艇のコース別の1着率は風の影響を受ける。
例えば、追い風のレースでは、スタート前の助走距離が短い1コースでも、十分に加速することができるので1着をとりやすい。
逆に、向かい風のレースでは、スタート前の助走距離が短い1コースは、十分に加速することができないので他のコースに負けやすい。
このような風の影響を「風向き」と「風速」ごとにまとめたぞ。
- 無風~風速1mなら1コースが有利
- 追い風2m~3mなら2コースが有利
- 追い風4m以上なら2コース~4コースが有利
- 向かい風2m以上なら4コース~6コースが有利
この風の影響は、全国平均のデータを使って出した結論だ。
基本的にはこれだけ覚えておけば大丈夫だが、競艇場によっては独特な風の影響が出ることもある。
中級者以上で「競艇場ごとの風の影響まで知りたい!」という方は、関連記事をチェックしてみてくれ。
関連記事では、風の影響の詳しい解説や、競艇場ごとの特徴をまとめているぞ!
準優勝戦の第12レースと優勝戦は1号艇有利
競艇のレースは6日間で開催されることが多く、初日~4日目が予選、5日目が準優勝戦、6日目が優勝戦となっている。
まず予選では、着順によって選手に得点が与えられ、「合計得点÷出走回数」で得点率が計算される。
今日の最初(選手についての予想方法)で説明した、勝率の計算と同じような感じだな。
次に、4日目終了時点での得点率上位18名の選手が準優勝戦に進む。
準優勝戦(第10レース〜第12レース)では、この表のように番組が決められることが多い。
枠番 | 10R | 11R | 12R |
---|---|---|---|
1号艇 | 得点率3位 | 得点率2位 | 得点率1位 |
2号艇 | 得点率4位 | 得点率5位 | 得点率6位 |
3号艇 | 得点率9位 | 得点率8位 | 得点率7位 |
4号艇 | 得点率10~12位 | ||
5号艇 | 得点率13~15位 | ||
6号艇 | 得点率16~18位 |
得点率の高い選手が、その節で調子が良い選手と考えると、準優勝戦の第12レースは1号艇が圧倒的に有利なことが分かるだろう。
第10レース、第11レースと比べて、2号艇との得点率の差が大きくなるように組まれているからだ。
鉄板レースを狙うなら、準優勝戦の第12レースはおすすめだぞ。
そして、準優勝戦で1着、2着を獲った選手が優勝戦に進むことができる。
優勝戦では、下の表のように番組が決められることが多い。
枠番 | 12R |
---|---|
1号艇 | 準優勝戦で1着をとった選手のうち、 最も得点率の高い選手 |
2号艇 | 準優勝戦で1着をとった選手のうち、 2番目に得点率の高い選手 |
3号艇 | 準優勝戦で1着をとった選手のうち、 3番目に得点率の高い選手 |
4号艇 | 準優勝戦で2着をとった選手のうち、 最も得点率の高い選手 |
5号艇 | 準優勝戦で2着をとった選手のうち、 2番目に得点率の高い選手 |
6号艇 | 準優勝戦で2着をとった選手のうち、 3番目に得点率の高い選手 |
1号艇には、その節で最も調子が良く、準優勝戦でも活躍した選手が乗ることになるのだ。
ただでさえ、1コースは有利なので、1号艇が1着を獲れる確率はかなり高くなる。
実際に、多くの競艇場で、優勝戦の1コースの1着率は全レースの1コースの1着率よりも「20~30%」ほど高い。
優勝戦では、1号艇を1着軸にすると的中率が上がるわけだな。
安定板が付くとスロー勢が有利
安定板とは、悪天候や波が高いときにモーターに付けられる部品のことだ。
安定板を付けると、艇が転覆しにくくなる代わりに、トップスピードが出にくくなる。
そのため、安定板が付いたレースでは、内側を走るスロー勢(1コース~3コース)が有利、外側を走るダッシュ勢(4コース~6コース)が不利になると言われている。
ちなみに、安定板を付けるかどうかは、選手の意志ではなく競艇場のレース運営者によって決められる。
付けるという決定がされた場合は、そのレースに出走する6名全員が安定板を付けなくてはならない。
安定板が付いているかどうかは、アナウンスや公式サイトの出走表で確認できるぞ。
とはいえ、安定板が付くようなレースは、風が強かったり、波が高かったりすることが多い。
そのため、「安定板の影響」よりも「水面状況」や「選手が波に慣れているかどうか」のほうがレース結果への影響は大きくなる。
安定板についてはあまり気にせずに、頭の片隅に置いておくくらいがちょうどいいかもしれないな。
ちなみに、悪天候のレースは予想が難しいので、初心者にはおすすめしないぞ。
以上で、コースごとの有利・不利の説明は終了だ。
簡単におさらいすると、「1コースの1着率2着率が高い」「6コースから1着や2着になることはほぼない」「競艇場ごとの特徴も考える」の3点が重要だったな。
予想に慣れている方は、「風」や「潮の満ち引き」の影響も考えると的中率が上がるぞ。
長かった競艇予想の方法も、次でいよいよ最後の章だ。 競艇の展開を予想する方法について、説明していくぞ。
競艇予想の展開を予想する方法は?
競艇予想における「展開」とは、「レースがどのような流れで進むか」を表した言葉だ。
例えば、「1号艇が早いスタートを決めて、そのまま先マイして逃げる」とか「3号艇のスタート遅れを利用して、4号艇が第1ターンマークでまくりを決める」といった感じだな。
「展開」は、「選手」「モーター」「コース」と同じく予想の大切なポイントだ。
実際、実力不足な選手や、弱いモーターや、不利なコースであっても、展開に恵まれたら1着〜3着に絡んでくることもある。
競艇は6人でレースをするので、お互いの走りが影響し合うということだな。
俺の考えでは、展開を予想するためには、
- 進入隊形(スタート隊形)
- スタートタイミング
- 第1ターンマークの攻防
の3つが重要となる。
このように説明すると、競艇初心者は「レースは3周あるのに、スタートと第1ターンマークしか考えなくていいの?」と疑問に思うかもしれない。
実は、競艇は先行した艇がとても有利な競技で、第1ターンマークで先行した艇がそのまま1着になることがほとんどなのだ。
その原因は、先行した艇が作る「引き波」にある。
引き波とは、艇が走るときに後ろにできる波のことで、後続の艇が引き波に引っかかるとスピードが落ちてしまう。
先行した艇は静かな水面を自由に走ることができるが、2番手以降の艇は先行した艇の引き波を避けて走るしかない。
そのため、先行した艇が有利で、2番手以降の艇が不利になるのだ。
実際に、競艇のレースの約90%は第1ターンマークで1着が決まるぞ。
競艇の展開を考える上で、スタートと第1ターンマークの重要性が分かってもらえたと思う。
それでは、早速「どうしたら展開の予想ができるのか」についての説明していこう。
展開については、競艇初心者にとって聞きなれない用語がたくさん出てくると思う。 丁寧に説明していくから、ついてきてくれ。
進入隊形(スタート隊形)とは?
出典:JLC
進入隊形(スタート隊形)とは、「何号艇が何コースからスタートするのか」を表した言葉だ。
競艇のスタートは「ピットアウト→コース取り→スタート」の順番で行われるので、必ずしも1号艇が1コースからスタートするわけではない。
枠番と同じコースでスタートすることを「枠なり進入」と言い、枠番より内側のコースに入るためにコース取りを行うことを「前づけ」と言う。
例えば、福岡競艇場の枠番別コース取得率は下の表のようになっていたぞ。
1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース | |
---|---|---|---|---|---|---|
1号艇 | 98.5% | 1.4% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2号艇 | 0.8% | 92.6% | 4.6% | 1.4% | 0.2% | 0.2% |
3号艇 | 0.2% | 2.6% | 90.2% | 5.4% | 1.0% | 0.4% |
4号艇 | 0.2% | 1.2% | 2.6% | 85.1% | 7.3% | 3.4% |
5号艇 | 0.0% | 1.4% | 1.0% | 5.6% | 82.3% | 9.5% |
6号艇 | 0.2% | 0.8% | 1.4% | 2.4% | 9.1% | 85.9% |
※集計期間:2019年5月1日~7月31日
上の表から、
- 基本的には枠なり進入が多いこと
- 4~6号艇は前づけを行いやすいこと
の2つが分かる。
実は、有利な内側のコースに前づけしてもいいというルールがあるにも関わらず、ほとんどのレースでは枠なり進入となるのだ。
ここで疑問に思うのは「どうして選手全員が前づけを行わないのか?」ということだ。
その理由としては「前づけすると助走距離が短くなること」が挙げられる。
前づけをするためには、ピットアウト後のコース取りのときに、内側のコースの艇の前に出なければならない。
そのため、枠なり進入したときに比べて、スタートまでの助走距離が短くなるのだ。
助走距離が短くなると、スタートタイミングが難しくなるし、スタート後の加速も十分にできない。
結果として、枠なり進入をして、うまいスタートができたほうがいいと判断している選手が多いわけだな。
前づけにもリスクがあるというわけだ。
レースの予想をするときは、基本的には枠なり進入で考えて大丈夫だが、枠なり進入にならないレースでは予想が一気に難しくなる。
なぜなら、「〇〇選手は6コースからは勝てないだろう」と思っていたのが、突然、4コースからのスタートになったりするからだ。
選手のスタートするコースが変わってしまうと、せっかくの予想が台無しになってしまうわけだな。
そのため、自分が予想するレースが枠なり進入なのか、前づけが行われるのかを判断することが重要になってくる。
次に、進入隊形はどうしたらわかるのかを説明するぞ。
進入隊形(スタート隊形)はどうしたらわかる?
出典:https://www.boatrace.jp/
本番のレースの進入隊形は、スタート展示の進入隊形と同じになることがほとんどだ。
実際に、本日(2020年4月21日)行われた全144レースを調査したところ、本番とスタート展示の進入隊形が同じレースが115レースで、違うレースは29レースという結果だった。
日によって多少の差はあるだろうが、約80%という高確率で、本番とスタート展示の進入隊形は同じになりそうだ。
スタート展示とは・・・本番のレース前に行われるスタートの練習。
そのため、レースの予想をするときは、基本的には「本番のレースの進入隊形はスタート展示の進入隊形と同じになる」と考えればよい。
スタート展示の進入隊形は、競艇の公式サイトの「直前情報」から確認できるので、レースごとに必ずチェックしてくれ。
進入予想の基本は、スタート展示の進入隊形を確認することだ!
ここで、「本番のレースの進入隊形が、スタート展示の進入隊形と違うのはどんなときなの?」と気になる方もいると思う。
本番のレースで進入隊形が変わるかどうかは、「スタート展示の進入隊形にきちんとした理由があったか?」をチェックすれば予想できるぞ。
ただし、これについては慣れが必要で、初心者が予想するのは難しい。
中級者以上で「進入予想を本格的にしたい」という方のみチャレンジしてみてくれ。
ここからは、スタート展示の進入隊形にきちんとした理由がある場合と、ない場合について解説するぞ!
スタート展示の進入隊形にきちんとした理由がある場合
出典:JLC
スタート展示の進入隊形にきちんとした理由がある場合は、本番のレースでも進入隊形が変わらないことが多い。
例えば、あるレースでイン屋やアウト屋がおらず、ピット離れに不安のある艇もいなかったとしよう。
このレースのスタート展示が枠なり進入だったとしたら、本番のレースでも枠なり進入になる可能性が高いな。
イン屋とは・・・3号艇~6号艇のときに、1コースや2コースに前づけするのが好きな選手。
アウト屋とは・・・1号艇~4号艇のときでも、5コースや6コースからダッシュスタートをするのが好きな選手。
また、別のレースで4号艇にイン屋がいて、1号艇~3号艇のピット離れに不安があったとしよう。
このレースのスタート展示で、4号艇が前づけして進入隊形が「412/356」となっていたら、本番のレースの進入隊形も「412/356」となる可能性が高い。
このように、「このレースは枠なり進入になりそう」「このレースは前付けが起きそう」と進入隊形を予想することが大切だ。
実際のスタート展示を見て、進入隊形が予想通りだった場合は、本番でも同じ進入隊形になることが多いぞ。
進入隊形についても理由を考えて予想することが大切だ!
スタート展示の進入隊形にきちんとした理由がない場合
出典:JLC
スタート展示の進入隊形にきちんとした理由がない場合は、本番のレースの進入隊形がどうなるかはわからない。
例えば、あるレースで、3号艇のピット離れに不安がなかったとしよう。
しかし、スタート展示では、たまたまピット離れに失敗して、進入隊形が「124/356」となってしまった。
この場合は、本番で3号艇のピット離れが上手く行くかどうかは判断できないので、進入隊形の予想ができない。
このように、「自分が予想した進入隊形」と「実際のスタート展示での進入隊形」が違う場合は、本番でどちらの進入隊形になるか、判断が難しいところだ。
次は、ピット離れの良し悪しを判断する方法を解説するぞ!
ピット離れの良し悪しを判断するには?
出典:JLC
ピット離れの良し悪しは、スタート展示のピットアウトだけでは判断できない。
なぜなら、そのときだけ「たまたま成功した(あるいは失敗した)」可能性があるからだ。
そのため、ピット離れの良し悪しを判断するには、選手やモーターを長期的にチェックしなければならない。
例えば、今節成績からは、その選手がその節で枠なり進入できているかどうかを確認できる。
複数のレースで、枠番よりも外側のコースからスタートしていれば、ピット離れが悪い可能性が高いな。
たった1回のスタート展示では、ピット離れの良し悪しはわからないぞ!
また、「そもそもピット離れが下手な選手」がいたり、「ピット離れが弱いモーター」があったりもする。
これは、選手一人一人の成績をチェックしたり、モーターの成績を前節や前々節までさかのぼってチェックしたりすればわかる。
全てのレースでチェックするのはかなり大変なので、「大きな金額を賭けるレースだけチェックする」としてもいいかもしれないな。
他にも、本番のレース前の解説で「この選手はピット離れに不安がある」と言っていることもある。
このような情報を活用して、ピット離れの良し悪しを判断するのもありだぞ。
本番のレース前の解説は役に立つので、時間があったら聞いてみよう!
イン屋やアウト屋を見つけるには?
競艇では、基本的には枠なり進入をする選手が多い。
しかし、一部の選手は、スタートするコースにこだわりを持っていて「イン屋」や「アウト屋」と呼ばれている。
例えば、下のイラストは、「西島義則」選手の2019年の艇番別進入コースだ。
出典:艇国データバンク
これを見ると、「西島義則」選手は、3号艇~6号艇のときに枠なり進入せずに、1コースや2コースに前づけすることが多いことがわかる。
つまり、「西島義則」選手はイン屋ということだな。
次に、「阿波勝哉」選手の2019年の艇番別進入コースを見てみよう。
出典:艇国データバンク
これを見ると、「阿波勝也」選手は、1号艇~4号艇のときでも、5コースや6コースからスタートしていることがわかる。
つまり、「阿波勝也」選手はアウト屋ということだな。
「西島義則」選手や「阿波勝也」選手はかなり極端な例だが、選手ごとに前づけの得意・不得意は少なからず存在する。
選手の特徴を少しずつ覚えて、予想に役立てていこう。
俺が選手の特徴を調べるときは、競艇の公式サイトや艇国データバンクというサイトを使っているぞ!
スタートタイミング(ST)とは?
出典:JLC
スタートタイミング(ST)とは「それぞれの選手がスタート時刻の何秒後のスタートしたのか」を表した言葉だ。
競艇は、風や波の影響で水面が揺らぐので、艇を横一列に並べて「よーいドン!」の合図でスタートすることはできない。
そのため、競艇では、「フライングスタート方式」というスタート方式が採用されている。
これは、スタートライン付近の大時計の針が0~1秒の間にスタートラインを通過すれば「スタート正常」となり、その間に通過できなければ「スタート失敗」となる方式だ。
そして、0秒より前にスタートラインを通過すると「フライング(F)」、1秒経ってもスタートラインを通過できないと「出遅れ(L)」となり、その選手は失格となる。
競艇選手は、スタートラインをわずか1秒の間に通過するように、手前からダッシュしているのだ。
一流の選手の平均STは「0.15」と言われている。
つまり、一流の選手は、大時計が0秒を指した「0.15」秒後にスタートラインを通過できるというわけだ。
例えば、下のイラストは、2019年7月15日に行われたSG「第24回オーシャンカップ」の優勝戦のスタート情報だ。
出典:https://www.boatrace.jp/
全ての選手が「0.15」以内にスタートしていることが分かる。
普通に生活している俺たちのような一般人にとっては、ちょっと信じられない時間感覚だよな。
当たり前のことだが、スタートタイミングは早ければ早いほど、レースを有利に運ぶことができる。
具体的には、スタートタイミングが「0.15」違うと、一艇身の差がつくと言われているぞ。
そのため、本番のレースでスタートタイミングが早い選手を予想することで、的中率を上げることができるのだ。
次は、スタートタイミングを予想する方法を説明しよう。
スタートタイミング(ST)はどうしたらわかる?
選手ごとのスタートタイミング(ST)を予想するときは、
- 平均ST(または、コース別平均ST)を基準にする
- その節の平均STから、その節の調子を判断する
- 選手コメントから、選手の自信を判断する
- F・Lが付いている選手の評価を下げる
の4ステップがおすすめだ。
色々な項目をバランスよく見ることで、予想の精度を上げているぞ。
また、スタートタイミングについては、1人の選手だけに注目するのではなく、6人の選手を見比べることが重要だ。
例えば、平均STが「0.15」の選手がいたとしよう。
この選手は、他の5名の平均STが「0.20」ならスタートが早い選手になるが、他の5名の平均STが「0.10」ならスタートが遅い選手になる。
ある選手のSTが早いか遅いかは、一緒に走る選手のSTによって変わってくるということだ。 それでは、具体的なスタートタイミングの予想方法の説明をしていこう。
1.平均ST(または、コース別平均ST)を基準にする
選手のスタートタイミングの予想の基準となるのが、選手ごとの平均STだ。
出典:https://www.boatrace.jp/
上の出走表からは、2号艇の平均STが早く、1号艇、3号艇、4号艇、6号艇の平均STが遅いことが分かる。
ただし、選手によっては、コースによって平均STが変わってくることがある。
そのため、より正確にスタートタイミングの予想をするには、公式サイトの選手データのコース別成績に書かれている「コース別平均ST」をチェックする必要がある。
出典:https://www.boatrace.jp/
例えば、1号艇「瓜生正義」選手の平均STは「0.15」と少し遅めだったが、1コースの平均STは「0.12」と少し早いことが分かる。
同じように、先ほどの出走表の選手の平均STとコース別平均STを比べてみた。
枠番 | 選手名 | 平均ST | コース別平均ST |
---|---|---|---|
1号艇 | 瓜生正義 | 0.15 | 0.12 |
2号艇 | 池田浩二 | 0.13 | 0.13 |
3号艇 | 毒島誠 | 0.15 | 0.14 |
4号艇 | 興津藍 | 0.15 | 0.14 |
5号艇 | 柳沢一 | 0.14 | 0.13 |
6号艇 | 中野次郎 | 0.15 | 0.16 |
※コース別平均STは枠なり進入を想定
平均STを見るだけでは、2号艇「池田浩二」選手のほうが、1号艇「瓜生正義」選手よりもスタートタイミングが早そうだった。
しかし、コース別平均STまで見ると、1号艇「瓜生正義」のほうが、2号艇「池田浩二」選手よりもスタートタイミングが早そうという判断ができる。
より実践的なデータと言えるのは、実際に走るコースの平均STである。
つまり、このレースは1号艇「瓜生正義」選手のほうがスタートでは有利になりそうだ。
コース別平均STを調べるのは少し面倒だが、上に書いた手順で確認できるから、ぜひ試してみてほしい。
全コース平均での強さよりも、実際に走るそのコースでの強さが大切だよな。 こういった基本を抑えると、的中率が上がるぞ。
2.その節の平均STから、その節の調子を判断する
選手ごとの平均STが分かったら、次に、今節成績の平均STを計算して、選手ごとのその節の調子を判断する。
今節の平均STと出走表に書いてある平均STを比べたときに、今節の平均STのほうが早ければ調子が良く、今節の平均STのほうが遅ければ調子が悪いということだな。
例えば、先ほどのレースの選手ごとの今節成績を見てみよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
1号艇「瓜生正義」選手の今節の平均STを計算すると、「(0.09+0.13+0.18+0.12+0.21+0.08+0.11)÷7=0.13」となる。
同じように、選手ごとの今節成績の平均STを計算して、平均STと比べたものが下の表だ。
枠番 | 選手名 | 今節の平均ST | 平均ST |
---|---|---|---|
1号艇 | 瓜生正義 | 0.13 | 0.15 |
2号艇 | 池田浩二 | 0.14 | 0.13 |
3号艇 | 毒島誠 | 0.14 | 0.15 |
4号艇 | 興津藍 | 0.16 | 0.15 |
5号艇 | 柳沢一 | 0.12 | 0.14 |
6号艇 | 中野次郎 | 0.09 | 0.15 |
上の表から、今節のスタートの調子が良さそうなのは、1号艇、3号艇、5号艇、6号艇で、調子が悪そうなのは、2号艇、4号艇ということが分かる。
また、スタートタイミングの数値を見たときに、「スタートタイミングが安定している選手」や「節の後半のほうがスタートが早い選手」は高評価だ。
逆に、「スタートタイミングがばらついている選手」や「節の後半のほうがスタートが遅い選手」は低評価と言える。
例えば、どのレースでも「0.15」以内のスタートを決めている選手Aと、レースごとに「0.10」のスタートと「0.20」のスタートを決めている選手Bがいたとしよう。
どちらの選手も平均STは「0.15」となるが、スタートタイミングが安定している選手Aのほうが高評価ということだな。
今節の平均STを見ながら、選手ごとに「平均STよりも早いスタートになりそうか、遅いスタートになりそうか」を予想しよう。
3.選手コメントから、選手の自信を判断する
ピットレポートの選手コメントからは、選手ごとのスタートについての自信を判断することができる。
スタートに自信がある選手は「合っている」「行けている」「分かってる」といったコメントをすることが多い。
逆に、スタートに自信がない選手は「合っていない」「届いていない」「分からない」といったコメントになる。
例として、先ほどのレースの今節成績をもう一度見てみよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
3号艇「毒島誠」選手は、スタートタイミングの数値だけ見ると少し不安がある。
しかし、ピットレポートで「スタートは初日、2日目以外はしっかり行けている」とコメントしているので、最終日のレースでは大丈夫だろうと判断できる。
選手コメントには、数値を見るだけでは分からないデータが隠されているのだ!
4.Fが付いている選手の評価を下げる
出走表を見たときに、F(フライング)が付いている選手は、スタートタイミングの評価を下げたほうがいいだろう。
フライングをした選手は、そのレースが失格になるだけでなく、出走が決まっている節が終了した後に「フライング休み」という出走禁止期間の罰則が課せられる。
そして、フライング休みの期間は、フライングをした合計の回数によって、下の表のように決められる。
回数 | フライング休み |
---|---|
1回 | 30日間 |
2回 | 60日間 |
3回 | 90日間 |
4回 | 180日間 |
※合計回数は半年ごとにリセット
例えば、Fを1つ持っている選手が2回目のフライングをしてしまった場合は、60日間はレースに出走することができなくなる。
競艇選手はレースの賞金で生計を立てているので、60日間も収入がない状態になるのは、かなりの痛手だ。
そのため、Fを1つでも持っている選手は、思い切ったスタートができなくなる。
特に、平均STが遅く、スタートが下手な選手は「フライングだけはしないようにしよう」という気持ちでレースを走ることになる。
このような気持ちの選手が勝てるほど、競艇のレースは甘くはない。
ただし、平均STが早い選手はスタートに自信があるので、F持ちでもトップスタートを決めてくることがある。
選手コメントにスタートへの意気込みが書かれていたりするので、チェックしてみよう。
スタート展示のSTは、あまり当てにしない
ここまでの4ステップで、選手ごとのスタートタイミングは予想できる。
ちなみに、俺はスタート展示のSTはあまり当てにしていない。
「スタート展示では0.02のトップスタートだったのに、本番のレースでは0.15のスタートだった」ということがよくあるからだ。
どうして、このようなことが起こるのだろうか?
選手は、スタート展示が終わったあとに自分のスタート展示のSTを見て、本番でのスタートを調整する。
「0.02はギリギリすぎてフライングがこわいから、もう少しスタートを遅らせよう」とか、「0.15は少し遅いから、気持ち早めにレバーを握ろう」といった感じだな。
結果として、本番のレースではスタート展示とは全く違ったスタートタイミングになるのだ。
特に、平均STが早い選手は、本番のレースでスタートを合わせるのがうまい。
スタート展示で少しくらい遅れていても、本番ではきっちりとトップスタートを切ってくるぞ。
スタート展示のSTを重視している方もいるが、俺の考えでは平均STのほうが重要だ。
スタートタイミングごとのコース別の有利・不利は?
スタートタイミングごとのコース別の有利・不利の基本的な考え方は、「スタートが遅れたコースの1つ外側のコースが有利」というものだ。
例えば、2コースのスタートが遅れたら3コースが有利だし、3コースのスタートが遅れたら4コースが有利になる。
1つ内側のコースのスタートが遅れてくれたら、スタート~第1ターンマークの間に、内側に寄りながらまくりを狙うことができるからだ。
もう少し具体的に言うと、
- 横一列なら1コース有利
- 1コース~3コースが遅れると4コース有利
- 3コース~4コースが遅れると5コース有利
- 4コース~6コースが遅れると1~3コース有利
ということになる。
それぞれの状況について、簡単に説明していこう。
横一列なら1コース有利
6艇全てが同じくらいのタイミングでスタートし、スタート隊形が横一列になったときは1コースが有利だ。
そもそも、競艇は1コースが有利なので、有利を保ったままレースが進み、そのまま1着になるということだな。
仮に外側のコースから内側へ攻めようとしても、1コースを2コースが守り、2コースを3コースが守り、…といった感じで、それぞれの艇が1つ内側のコースを1つ外側のコースから守るという構図になる。
また、競艇用語では、この守る艇のことを「壁」と呼んだりもする。
例えば、2コースの艇は「1コースの艇を3コースの艇から守る壁」というわけだな。
競艇では基本的に1コース有利だし、2コースが壁になっていたら、なおさら1コース有利ということだ。
だが、いくら1号艇が強いといっても、2号艇や3号艇の壁がないと外側のコースからのまくりに耐えることができない。 それが、次のパターンだ。
1コース~3コースが遅れると4コース有利
1コース~3コースの艇のスタートが遅れると、4コースが有利になる。
このスタート隊形のことを、競艇用語で「内へこみ」と呼んだりするぞ。
1コースを守る壁がいない状態なので、4コースが内側のコースに寄りながらまくりを決めることができる。
このようなまくりを「締めまくり」と呼ぶ。
締めまくりが決まった場合、1~3コースの艇は第1ターンマークをうまく旋回することができない。
特に、3コースの艇は進路を思いっきり塞がれているので、着外になることが多いぞ。
逆に、5コースの艇は4コースの艇についていくだけで2着に入ることができる。
内へこみになりそうなレースでは、「4-5」の舟券で高配当を狙う戦略もアリだぞ。
3コース~4コースが遅れると5コース有利
3コース~4コースの艇のスタートが遅れると、5コースが有利になる。
このスタート隊形のことを、競艇用語で「中へこみ」と呼んだりするぞ。
内へこみと同じように、壁がいないので5コースがまくりやまくり差しを決めやすいのだ。
ただし、1コースの艇の選手が強かったり、モーター性能がいい場合は、普通に逃げられてしまうこともある。
5コースは4コースに比べて、第1ターンマークから遠いからだ。
中へこみになりそうなレースでも、出走表を見ながら慎重に予想することが重要だ。
4コース~6コースが遅れると1コース有利
4コース~6コースの艇のスタートが遅れると、1コースが有利になる。
このスタート隊形のことを、競艇用語で「外へこみ」と呼んだりするぞ。
横一列のときと同じように、1コースが有利を保ったままレースを進めることになる。
4コース~6コースの艇の選手が弱かったりモーター性能が悪かったりすると、1着~3着を1コース~3コースの選手が独占する結果になったりもする。
払戻金は美味しくないが、堅いレースを当てたい方にはおすすめだな。
スタート隊形は、横一列、内へこみ、中へこみ、外へこみの4つを考えよう!
ここまでで、スタートの展開についての説明は終了だ。
これで、「競艇においてスタートがいかに重要か」や「スタート隊形の予想方法」は伝わったと思う。
次は、スタートした後の第1ターンマークの展開についての説明をしていこう。
第1ターンマークのコースごとの戦略は?
出典:JLC
競艇の全レースのうち、約90%のレースは第1ターンマークで勝負が決まる。
そのため、第1ターンマークの展開を正確に予想することができれば、舟券の的中率を大幅に上げることができるのだ。
まずは、コース別にどの決まり手が出やすいのかをまとめたので、チェックしてみてほしい。
コース | 逃げ | 差し | まくり | まくり差し | 抜き | 恵まれ |
---|---|---|---|---|---|---|
1コース | 94.4% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 5.4% | 0.2% |
2コース | 0.0% | 64.3% | 24.3% | 0.0% | 10.0% | 1.4% |
3コース | 0.0% | 13.0% | 38.4% | 35.6% | 11.8% | 1.3% |
4コース | 0.0% | 19.9% | 42.7% | 26.5% | 9.6% | 1.4% |
5コース | 0.0% | 7.6% | 20.5% | 58.8% | 10.9% | 2.3% |
6コース | 0.0% | 11.6% | 22.6% | 48.0% | 14.6% | 3.2% |
※集計期間:2018年6月1日~2019年5月31日
上の表から、
- 1コースは、逃げで勝つ
- 2コースは、差しがメインで、まくりもときどき
- 3コースは、まくりとまくり差しが同じくらい決まる
- 4コースは、まくりがメインで、まくり差しもときどき
- 5コースは、まくり差しが決まりやすい
- 6コースは、まくり差しがメインで、抜きもときどき
ということが分かる。
また、表のデータは全国の競艇場の平均をとっているので、競艇場によっては違いが出てくることがある。
例えば、戸田競艇場では3コースの差しが「9.1」で、まくりが「54.4」となっており、上の表の数値とはかなり違う。
詳しくは競艇の公式サイトの「レース場データ」に載っているので、自分の予想する競艇場についてチェックしてみてくれ。
起こりそうなレース展開とまず起きないレース展開を見極められると、的中率もグッと上がるぞ。 ここからは、コースごとの戦略についても詳しく説明する。
1コースは先マイできたら9割勝てる
1コースの第1ターンマークでの主な戦略は、「先に回って逃げる」の1パターンだけだ。
また、このように、第1ターンマークを先に回ることを「先マイ」と呼ぶ。
1コースの決まり手の「94.4%」は逃げだ!
逆に、1コースが負けるのは、スタートが遅れて第1ターンマークで外側の艇にまくられたときや、第1ターンマークでターンが膨らんで内側を差されたときだ。
つまり、モーターの性能がそこそこあって、選手がスタートやターンでミスをしなければ、ほぼ確実に1着を獲れるわけだな。
2コースは基本的には差しを狙う
2コースの第1ターンマークでの主な戦略は、
- 1コースのターンが膨らんだときに、内側を小回りなターンで差す
- 1コースのスタートが遅れたときに、外側をスピードターンでまくる
の2パターンだ。
差しが「64.3%」、まくりが「24.3%」なので、メインの戦略は差しということになるな。
差しを決めるためには、このイラストのように、2コースの艇(黒)が1コースの艇(白)よりも先に減速してターンを決めて、1コースの艇よりも早く加速して前に出る必要がある。
そのため、2コースのモーターの出足や回り足が重要になってくる。
2コースはモーター性能があれば1コースに勝てるが、そうじゃなきゃ勝てないことが多いな。
3コースはまくりかまくり差しの判断が必要
3コースの第1ターンマークでの主な戦略は、
- 1コースと2コースの外側をスピードターンでまくる
- 2コースの外側をまくって、1コースの内側を差す
の2パターンだ。
まくりが「38.4%」、まくり差しが「35.6%」なので、どちらも同じくらい決まるということだな。
まくりは1コース(白)と2コース(黒)のスタートが遅れたときや、3コース(赤)がトップスタートを切れたときに決まりやすい。
スピードターンをするために、モーターの行き足や伸び足が重要になってくるな。
3コースのまくりが決まると、1コースと2コースは第1ターンマークを回りにくくなって4コース~6コースが2着になりやすい。 展開がわかると、1着〜3着の予想精度もグッと上がるぞ。
これは、3コースがまくり差しを決めている様子のイラストだ。
まくり差しは、1コース(白)のターンが膨らんだときに決まりやすい。
3コースから2コースをまくって1コースを差すというのは難易度が高い技なので、3コースが得意な選手でモーター性能も良くないとなかなか決まらない。
まくり差しの場合、まくりのときと違って、1コースが2着や3着に残りやすいのも特徴だ。
4コースはまくりが最も決まりやすいコース
4コースの第1ターンマークでの主な戦略は、
- 1~3コースの外側をスピードターンでまくる
- 1~3コースが競っているときに、内側を差す
の2パターンだ。
まくりが「42.7%」、差しが「19.9%」、まくり差しが「26.5%」なので、メインの戦略はまくりということになるな。
4コース(青)のまくりは、スタートタイミングのところでも説明した通り、内へこみのスタート隊形になったときに決まりやすい。
第1ターンマークに到達する際に、4コースの艇が1コース~3コースの艇よりも前に出ていなければならないので、モーターの行き足や伸び足が重要になってくる。
また、4コースの艇のまくりが決まると、1コース~3コースの艇は第1ターンマークを回りにくくなるので、5コースの艇が2着になりやすいぞ。
6コースは第1ターンマークが遠いので、4コースがまくっても付いていけないことが多い。
4コースがまくり成功したときには5コースも2着や3着になりやすいぞ。 こういったよく起こるレース展開を1つ1つ知っていこう。
5コースはまくり差しが狙えるかどうか
5コースの第1ターンマークでの主な戦略は
- 内側のコースのすきまをまくり差す
- 内側のコースの外側を全速ターンでまくる
の2パターンだ。
まくり差しが「58.8%」、まくりが「20.5%」なので、メインの戦略はまくり差しということになるな。
5コースがまくり差しは、1~4コースの艇が競り合っているときに決まりやすい。
内側のコースの艇が競り合ってターンが膨らんだところに、すきまをうまく見つけて差し込むイメージだな。
選手に高度な技術と判断力がいるので、実力のある選手にしか決めることはできないぞ。
逆に、5コースのまくりはトップスピードを決めて、全速でターンするだけなので、まくり差しに比べれば簡単だ。
スタート勘の良い選手が、気配の良いモーターに乗っているときは要注意だな。
ここでは5コースが勝つ際のレース展開を紹介しているが、上でも書いたように5コースの1着率は5.8%しかない。 だから、基本的には5コースはせいぜい2着までが限界、と考えるのも手だな。
6コースは自力は厳しく、展開待ちが多い
6コースの第1ターンマークでの主な戦略は、
- 内側のコースのすきまをまくり差す
- 内側のコースの外側を全速ターンでまくる
の2パターンだ。
まくり差しが「48.0%」、まくりが「22.6%」なので、メインの戦略はまくり差しということになる。
つまり、5コースと同じということだな。
戦略としては5コースと同じだが、1着を獲るのは5コースよりもかなり難しい。
実際に1着率を比べると、5コースは「5.8%」、6コースは「1.9%」と、約3倍の差がある。
6コースは自力で勝つのは難しく、内側のコースの競り合って混戦状態になったところを、うまく差していくしかないというわけだな。
5コースは良くて2着か3着、6コースは良くて3着。 基本的には、1コース〜4コースの中から1着予想をすることになるぞ!
第1ターンマークのコースごとの戦略は以上だ。
スタートの話と合わせて、展開についてのだいたいの話は伝えたことになるな。
ここからは、展開について知っておいてほしい豆知識をまとめたぞ。
干潮はまくりが決まりやすく、満潮は逃げや差しが決まりやすい
海水を利用した競艇場では、潮の満ち引きによって、1日の間に水面の高さが変わることがある。
潮が引くと水面が安定して、スピードターンを決められるようになるので、まくり(主に4コース~6コース)が有利になる。
逆に、潮が満ちると水面が不安定になり、スピードを落としたターンしかできなくなるので、逃げや差し(主に1コース~3コース)が有利になる。
まとめると、満ち潮なら内側有利、引き潮なら外側有利というわけだな。
満潮時間と干潮時間は出走表の欄外に載っているぞ。
潮の満ち引きは約6時間周期で行われる。
第1レースと第12レースでは水面の高さが全く違うから、同じ競艇場でも時間によってレース展開は大きく変わるぞ。
大事なことなので繰り返すが、細かいテクニックの積み重ねが勝ちにつながるぞ!
本命が1着が獲れなかったときは、2着も怪しい
競艇のレースでは、本命が1着が獲れなかったときは、2着を獲れるかどうかも怪しくなる。
ここでいう「本命」とは、絶対に勝つだろうと思われている選手や、新聞や予想師で「◎」が付いている選手のことだ。
例えば、競馬では、最後の直線で勝負が決まるので「1着を獲れなかった馬が惜しくも2着になってしまった」という場面は多い。
しかし、競艇では、最初のスタートとターンで勝負が決まるので、ミスをしたときに取り返すのが難しいのだ。
これが分かっている競艇ファンは、本命選手が着外に沈んだときに「やっぱりな」と思うぞ。
具体的には、本命の1号艇がスタートのミスをしてしまった場合、外側の艇にまくられて、着外に沈められてしまう。
また、ターンをミスして膨らんでしまった場合も、内側に次々と他の艇が入ってきて、挽回するのが難しい状態になってしまう。
そのため、舟券を買うときは「この選手は本命だから、少なくとも2着には入ってくれるだろう」と簡単に考えるのは危険だ。
「本命選手が1着を獲れなかったときはどうなるのか?」というレース展開をしっかりと考えることが、競艇でプラス収支になるためのコツとなる。
強い選手が2人しかいないときは、万舟券のチャンス
競艇では、強い選手が2人しかいないときは、万舟券のチャンスだ。
例えば、下の出走表のレースでは、A1級選手が2号艇と3号艇に乗っている。
出典:https://www.boatrace.jp/
このレースで、2号艇と3号艇がどちらも1着を獲ろうと全力を尽くした場合、どうなるだろうか?
まず、3号艇はまくりを狙いに行きたいので、第1ターンマークまでにできるだけ加速しようとする。
そうなると、2号艇は差しを狙いたいものの、3号艇のまくりを阻止しなければならないので、減速するタイミングが遅くなる。
結果として、2号艇も3号艇もターンが膨らんでしまうのだ。
ちなみに、レース結果は「5-6-2」で、三連単「5-6-2」は90番人気の「61,400円」だった。
ここまでの高配当は珍しいが、穴を狙いたい方は覚えておいて損はない戦略だ。
強い選手が互いに潰しあったら、荒れる展開になるぞ!
前半のレース結果から着順傾向を分析する
第7レース~第12レースの予想をするときは、第1レース~第6レースの結果を見て、着順の傾向を分析するのがおすすめだ。
例えば、「第1レース~第6レースでは1号艇の1着が多かったから、第7レース~第12レースでも1号艇の1着が多いだろう」と予想するわけだな。
出典:https://www.boatrace.jp/
競艇場の水面は、干潮差はあるものの、温度や水質などは1日の間で変化が少ない。
そこで、その日の水面特徴では何コースが有利なのかを知るために、第1レース~第6レースの結果を参考にする戦略がある。
特に、選手の実力が同じくらいで、番組に偏りが少ないSG・G1では参考にしやすいぞ。
とはいえ、あまり重要な要素ではないので、あくまで参考程度に考えるのがいいだろう。
【競艇予想】よくある質問
競艇予想についてのよくある質問をまとめた。
また、この記事に投稿されたコメントに回答するときもこのコーナーに追記していくぞ。
現在勝率は出走表のどこに書いてありますか?
現在勝率は、競艇場によっては「最近勝率」「来期勝率」「近況勝率」といった書き方をされていることがある。
例えば、若松競艇場では、上の写真のように「現在」と書かれている。
しかし、常滑競艇場では、上の写真のように「近況」と書かれているぞ。
自分のよく行く競艇場の現在勝率がわからないときは、欄外の「出走表の見方」をチェックしてみてくれ。
例えば、上の写真の出走表には、
- 全国成績(=全国勝率)
→平成30年11月1日~平成31年4月30日までの成績 - 現在成績(=現在勝率)
→令和元年5月1日~令和元年7月7日までの成績
が反映されていることがわかる。
どの出走表にも必ず書いてあるので、自分のよく行く競艇場の出走表を一度でいいから隅々まで読んでみよう。
出走表の見方は、一度覚えておくと予想に役立つぞ!
2連率・3連率の差の大小はどのように見ればいいですか?
2連率・3連率の差の大小は同じレースに出場する選手同士で比べることが大切だ。
例えば、2020年1月27日の唐津競艇場第1レースの出走表を見てみよう。
出典:https://www.boatrace.jp/
上の出走表で、3号艇「川上剛」選手と5号艇「横澤剛治」選手は勝率が同じくらいだが、2連率・3連率は異なっている。
2名の選手の2連率・3連率とその差を比べてみよう。
選手名 | 2連率 | 3連率 | 2・3連率の差 |
---|---|---|---|
川上剛 | 47.52% | 64.54% | 17.02% |
横澤剛治 | 41.10% | 64.38% | 23.28% |
敬称略
上の表から、「川上剛」選手は2連率と3連率の差が小さいので、1着、2着は多いが、4着以下も多い両極端な選手であることがわかる。
逆に、「横澤剛治」選手は2連率と3連率の差が大きいので、1着、2着は少ないが、3着に入るのがうまい安定型の選手だな。
つまり、この2名の選手の舟券を買うときは、「川上剛」選手の1着、2着や「横澤剛治」選手の3着を狙っていくのがよいということだ。
ただし、他の選手の強さやコースの有利・不利もあるので、バランスよく考えて予想することが重要だぞ。
2連率・3連率は、出場する選手同士で比べてみてくれ!
競艇の専門紙は必要ありませんか?
競艇の専門紙は、買っても買わなくてもどちらでもいい。
ただし、初心者がいきなり専門紙のデータを活かして予想するのは難しい。
なので、初めのうちは出走表の基本的なデータだけを活かして予想するのがおすすめだ。
専門紙についてもっと詳しく知りたいときは、関連記事をチェックしてみてくれ。
初心者は、まずは出走表で予想できるようになろう!
これで、長かった競艇予想の方法の説明も全て完了だ。
最後に、この記事で伝えたかったことをもう一度まとめたぞ。
競艇の予想の仕方のおさらい
競艇予想の仕方で重要なポイントをもう一度まとめると、
- 選手の強さは基本的に現在勝率で見る
- モーターの気配は展示航走でチェック
- 競艇場ごとの有利なコース・不利なコースを調べる
- スタートと第1ターンマークの展開を予想する
の4つだ。
かなり長い内容だったので、全てを覚えるのは少し大変かもしれないな。
そんなときは、覚えたコツだけで実際に舟券を買ってみてもオッケーだ。
「実際に舟券を買う→この記事を読む」を繰り返すことで、競艇予想の実力を付いていこう。
実際に舟券を買って、レースを観戦するのが一番の勉強方法というわけだな。
大変だったと思うが、ここまで読んでくれてありがとう。
俺も1ヶ月かけてこの記事を仕上げたから、かなり大変だったが、書き終えた充実感は大きい。
競艇の本を1冊読むよりもこの記事の方が濃いテクニックが満載だから、ぜひ読みこんで、勝率アップにつなげてほしい。
今夜はビールが美味いにちがいないな。 他にも良い記事をたくさん書いてるから、時間あるときに読んでみてくれ!
競艇の予想の仕方|関連記事
競艇の勝ち方の最新記事(2024年10月25日更新)
コメントへの回答
この記事に投稿されたコメントに回答していく。
なお、全てのコメントに回答するわけではないのでご了承願いたい。
コメントの活用法については「コメントポリシー」にまとめているぞ。
実際に走るコースの2連率の計算方法を知りたい
2024年1月11日に「実際に走るコースの2連率の計算方法を知りたい」とコメントをもらった。
まず、出走表に載っている選手の2連率は、全コースの成績を集計したものだ。
競艇は1コースが有利なので、2~6コースでの2連率は1コースの2連率よりも小さくなるぞ。
選手のコース別2連率は、公式サイトの選手データやボートレース日和に載っている。
スタート展示から本番の進入コースを予想して、そのコースの2連率をチェックしてみてくれ。
ただし、実際に何%の確率で2着以内に入るのかは、モーターや水面状況で変わる。
選手のコース別2連率を参考にしつつ、モーターや水面状況も踏まえて予想することが重要だ。
タイトルと説明が食い違っています
1月4日に「タイトルと説明が食い違っています」というコメントをもらった。
指摘してくれてありがとう!
俺のほうでも確認したところ、たしかにタイトルと説明が食い違っていた。
タイトルが間違っていて、説明が合っていたので、すぐにタイトルを修正したぞ。
なるべくミスのないように記事を書いているが、どうしてもミスをしてしまうことはあるので、このようなコメントはありがたいな。
コメント
コメント一覧 (13件)
ルフィという競艇予想家にコピペされてnoteで19800円で同じこと発売されてますよ
選手が覚えられない事で競艇の面白さがわからなかったのですが細かい数字を見方をこのサイトで教わったらだいぶ予想の幅が広がりました!ありがとうございます!
実際に走るコースの2連率の計算方法を教えてください!!!
オート民ですが、このブログ見ボートも始めようかと思いました。
この記事読んで→舟券買って→また読むの繰り返し、まさにその通りさせていただきます。
素晴らしい記事ありがとうございました。
今まで少しだけ何もわからず競艇を楽しんでましたが、これを読んで選手の努力やデータの大切さ、データの楽しさを教えられた気持ちになりました。勝たなくても楽しめる競艇に考えが変わりました。とてもよいアドバイスです、ありがとうございます。
競艇初心者です!展開予想について凄く分かりやすく参考になりました!ありがとうございました!
満潮はまくりが決まりやすく、干潮は逃げや差しが決まりやすい
説明とタイトルが異なっているように思いますが?
基本的には大変勉強になりました。
何度も何度も読み返しています。
まとめてプリントアウトしたいくらいです。
ありがとうございます。
勉強になりました!ありがとうございます!
こんばんは!競艇親父さんのこの記事を読ませて頂き、本日トライしてみました
舟券を買うときに予想する際に表にしてみたりして、丸の多い選手やモーター率などを見て買ってみましたが、なかなかうまくいかなくて苦戦している本日でした
質問ですが、現在勝率を、みるには、競艇場においてある予想表だとどこを見れば良いのでしょうか?また2・3連対率をみる際、差の大小の決定をするとき
どれくらいはなれてるのか知りたいです!宜しくお願い致します!