この記事では「競艇の風の影響が知りたい!」という方に向けて、風向きや風の強さごとの有利なコースについてまとめた。
競艇のセオリーとして、「追い風なら逃げや差しが有利、向かい風ならまくりが有利」というのは有名だ。
しかし、これだけでは「追い風でどのコースが有利で、向かい風でどのコースが有利なのか」がわかりにくい。
また、このセオリーは風向きにしか注目しておらず、風の強さを無視していることも問題だ。

そこで、俺は「風向きと風の強さごとのコース別1着率」を調べ、「風の影響がどのくらいあるのか」を計算した。
すると、意外な事実が見つかったぞ。
ぜひ最後まで読んで、予想の的中率アップに役立ててくれ。

競艇の風の影響のデータ
競艇の風の影響のデータを「追い風」「向かい風」に分けてまとめた。
まずは、追い風と向かい風について、全国平均の「風速ごとのコース別1着率」を見ていこう。
1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース | |
---|---|---|---|---|---|---|
追い風1m | 56.5% | 15.7% | 11.0% | 10.0% | 5.1% | 1.8% |
追い風2m | 53.9% | 16.3% | 11.9% | 10.9% | 5.1% | 1.9% |
追い風3m | 50.8% | 17.1% | 13.0% | 11.5% | 5.3% | 2.3% |
追い風4m | 49.4% | 16.6% | 13.8% | 12.4% | 6.0% | 1.9% |
追い風5m以上 | 46.1% | 18.7% | 14.1% | 13.0% | 6.1% | 2.0% |
集計期間:2016年1月1日~2018年12月31日
データはBOATlogを参照に作成
1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース | |
---|---|---|---|---|---|---|
向かい風1m | 54.3% | 14.2% | 12.6% | 10.6% | 6.3% | 2.0% |
向かい風2m | 52.5% | 14.8% | 12.8% | 11.1% | 6.8% | 2.1% |
向かい風3m | 51.0% | 14.4% | 13.2% | 12.2% | 6.7% | 2.6% |
向かい風4m | 50.2% | 14.4% | 13.4% | 12.5% | 7.1% | 2.4% |
向かい風5m以上 | 46.2% | 14.6% | 15.0% | 14.1% | 7.4% | 2.8% |
集計期間:2016年1月1日~2018年12月31日
データはBOATlogを参照に作成
次に、このデータを分析するために全国平均の「全レースのコース別1着率」を調べたぞ。
1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース | |
---|---|---|---|---|---|---|
全レース | 55.0% | 14.8% | 12.4% | 11.0% | 5.8% | 1.9% |
集計期間:2018年9月1日~2019年8月31日
データ:競艇の公式サイト
最後に、風の影響がどのくらいあるのかを「風速ごとのコース別1着率/全レースのコース別1着率」で計算して、下の表にまとめた。
下の表の数値は、そのコースについて、その風が吹いているときにどのくらい1着をとりやすく(あるいは、とりにくく)なるのかを表している。
例えば、表に「110%」と書かれているときは、そのコースが普段よりも1割くらい1着をとりやすいということだ。
逆に、表に「90%」と書かれているときは、そのコースが普段よりも1割くらい1着をとりにくいということになるぞ。
1着を特にとりやすくなっている部分は赤文字にしてあるので、注目してみてほしい。
1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース | |
---|---|---|---|---|---|---|
追い風1m | 103% | 106% | 88% | 91% | 88% | 93% |
追い風2m | 98% | 110% | 96% | 99% | 88% | 98% |
追い風3m | 92% | 116% | 105% | 105% | 91% | 118% |
追い風4m | 90% | 112% | 111% | 113% | 103% | 98% |
追い風5m以上 | 84% | 127% | 114% | 118% | 105% | 106% |
1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース | |
---|---|---|---|---|---|---|
向かい風1m | 99% | 96% | 102% | 96% | 109% | 104% |
向かい風2m | 95% | 100% | 103% | 101% | 116% | 113% |
向かい風3m | 93% | 97% | 106% | 111% | 115% | 135% |
向かい風4m | 91% | 97% | 108% | 114% | 122% | 128% |
向かい風5m以上 | 84% | 98% | 121% | 128% | 127% | 145% |
上の表から、風の影響の傾向については、
- 無風~風速1mなら1コースが有利
- 追い風2m~3mなら2コースが有利
- 追い風4m以上なら2コース~4コースが有利
- 向かい風2m以上なら4コース~6コースが有利
ということがわかる。
なお、追い風3mで6コースの1着率が上がっているのは、参考にならない数値として無視した。
ここからは、それぞれの風の影響の原因について解説していくぞ。

競艇は無風~風速1mなら1コースが有利
競艇は無風~風速1mなら1コースが有利だ。
そもそも、競艇は1コースが有利な競技なので、風が吹いていなければ1コースが有利なのは当然だな。
また、先ほどのデータから、追い風や向かい風が吹いていても、風速1m以下ならレース結果に影響しないことがわかった。
無風~風速1mのレースでは、風の影響は気にせずに予想するのがおすすめだ。

競艇は追い風2m~3mなら2コースが有利
競艇は追い風2m~3mなら2コースが有利だ。
なぜなら、追い風のレースでは、1コースの第1ターンマークでのターンがふくらみやすくなるからだ。
2コースは、その隙を突いて「差し」を決めることができるわけだな。
追い風2m~3mのレースでは、普段よりも2コースに注目して予想してみよう。

競艇は追い風4m以上なら2コース~4コースが有利
競艇は追い風4m以上なら2コース~4コースが有利だ。
2コースが「差し」を決めやすくなるのは、先ほど説明した通りだ。
また、3コースや4コースは「差し」に加えて、「まくり差し」も決めやすくなるぞ。
追い風に乗ったスタートダッシュからまくって、内側のコースのターンがふくらんだところを差せるようになるわけだな。
追い風4m以上のレースでは、普段よりも2コース~4コースに注目して予想してみよう。

競艇は向かい風2m以上なら4コース~6コースが有利
競艇は向かい風2m以上なら4コース~6コースが有利だ。
なぜなら、向かい風のレースでは、1コース~3コースがスタートダッシュしにくくなるからだ。
その点、4コース~6コースは、十分な助走距離があるのでスタートダッシュを決めることができる。
そして、そのままスピードを活かして「まくり」を決めるのだ。
向かい風2m以上のレースでは、普段よりも4コース~6コースに注目して予想してみよう。

競艇の横風の影響は?
競艇の横風は、レース結果にほとんど影響しないので無視しても大丈夫だ。
ただし、風速5m以上の横風が吹いているときは、選手が思ったように艇を操縦できないのでレースが荒れやすいぞ。
また、1日の間で風向きが変わる日の横風にも注意したい。
風の変わり目で選手のスタート感覚が狂って、穴舟券が出ることがあるぞ。

以上で、競艇の風の影響についての解説は終了だ。
風速1m以下ならレースへの影響が少ないことや、追い風4m以上で4コースが有利になることは意外だったのではないだろうか。
ここからは、競艇の風についての役立ち知識をまとめたぞ。
競艇の風についての役立ち知識
競艇の風についての役立ち知識として、
- 競艇の風の情報はどこで見れる?
- 競艇の安定板の影響は?
- 競艇は台風で荒れやすくなる?
の3つをまとめた。
知っておいて損はないことばかりなので、ぜひチェックしてみてくれ。
競艇の風の情報はどこで見れる?
出典:https://www.boatrace.jp/
競艇の風の情報は、競艇の公式サイトの「直前情報」で見ることができる。
例えば、上のイラストは2019年11月28日の福岡競艇場の第2レースの直前情報だ。
赤枠で囲った「水面気象情報」を見ると、直前のレースの時点での風の向きと強さがわかるぞ。
イラストの下側がスタンドになっているので、選手は左から右に向かってスタートする。
そのため、右矢印は追い風、左矢印は向かい風、上下の矢印は横風ということになるな。
上のイラストから、福岡競艇場の第1レースでは風速3mの向かい風が吹いていたことがわかる。

これは直前のレースの時点での風の情報だが、基本的には今のレースの予想に使っても大丈夫だ。
なぜなら、レースとレースの間隔は約30分しかなく、急に風の向きや強さが変わることは少ないからだ。
また、競艇場のモニターで風の情報を確認するのは難しい。
そのため、風の情報のチェックはスマホやケータイで競艇の公式サイトを見るのがおすすめだ。

競艇の安定板の影響は?
出典:https://www.boatrace.jp/
競艇では、風の強いレースで「安定板」という部品を艇に付けてレースが行われることがある。
安定板を付けると、艇が転覆しにくくなる代わりに、トップスピードが出にくくなるぞ。
そのため、安定板が付いたレースでは、1コース~3コースが有利になり、4コース~6コースが不利になりやすい。
逃げや差しが決まりやすくなり、まくりが決まりにくくなるわけだな。

とはいえ、安定板が付くようなレースは、かなりの悪天候であることが多い。
選手が艇の操縦をミスしてしまうことも多く、荒れたレース結果になりやすいぞ。
なので、安定板についてはあまり気にせずに、頭の片隅に置いておくくらいがちょうどいいかもしれないな。
ちなみに、安定板を付けるかどうかは、選手の意志ではなく競艇場のレース運営者によって決められる。
付けるという決定がされた場合は、そのレースに出走する6名全員が安定板を付けなくてはならないぞ。

競艇は台風で荒れやすくなる?
出典:https://www.boatrace.jp/
競艇のレースは台風で荒れやすくなると言われている。
選手がスタートやターンでミスをしやすくなったり、モーターの性能が気圧の変化で変わったりするからだ。
実際に、2017年10月23日の三国競艇場では、台風の影響を受けて1日で5本も万舟券が出ているぞ(上のイラスト)。
「万舟券を狙ってみたい!」という方は、台風の日に舟券を買うといいかもしれないな。
ただし、悪天候のレースは予想の実力が反映されにくいので、「きちんと予想して当てたい」という方にはおすすめしないぞ。

以上で、俺がこの記事で伝えたい内容は全て伝えた。
最後に、重要なポイントをおさらいしよう。
競艇の風の影響まとめ
競艇の風の影響について、もう一度まとめると、
- 無風~風速1mなら1コースが有利
- 追い風2m~3mなら2コースが有利
- 追い風4m以上なら2コース~4コースが有利
- 向かい風2m以上なら4コース~6コースが有利
- 横風は基本的には関係なし
の5つがポイントだ。
色々と解説したが、忘れてはいけないのは「競艇の1コースの1着率は50%以上」という事実だ。
風の影響で有利になるコースはあるが、1コースが1着をとりやすいことに変わりはない。
そのため、風の影響については予想の材料の一つとして使うのがおすすめだ。

競艇の風|コメントへの回答
この記事に投稿されたコメントに回答していく。
なお、全てのコメントに回答するわけではないのでご了承願いたい。
コメントの活用法については「コメントポリシー」にまとめているぞ。
節の前半と後半ではどちらが当てやすい?
11月10日に「節の前半と後半ではどちらが当てやすい?」という質問をもらった。
節の前半(初日や2日目)は、今節の調子がわからないので、「枠番の有利不利」や「選手の実力」などを中心に予想することになる。
一方、節の後半(3日目以降)になると、「今節の調子」「節間のモーター気配」「勝負駆けか消化試合か」なども予想材料として使えるようになるぞ。
おおまな傾向としては、予想材料の少ない前半のほうが予想しづらい分だけオッズが高くなりやすく、予想材料の多い後半は予想しやすい分だけオッズが低くなりやすい。
一長一短なので、どちらかに絞って賭けながら、得意な勝ちパターンを作るのも良いかもしれないな。
「安定板」が「安定版」になっていませんか?
指摘してくれてありがとう。
確認したところ、誤記だったので修正したぞ。
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